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手のひらの中の奇跡 -恭也視点 第五話-

 ―4月12日―

 恭也視点 第五話










 昨日のことが自然と頭に浮かぶ。
 佐藤は自分が聞いておこう、と言っていたが満足の行く答えを知る事ができたのだろうか。
 いつもの角を曲ると、太陽の光が直接俺の目に飛び込んできた。俺はたまらず目を細める。考え事をしていて、少し油断していたようだ。


 ――そういえば、もう春なのだな。


 街路沿いに植えられている桜の花が自然と春の訪れを感じさせてくれる。それらはとても綺麗で、俺に様々な思い出を思い出させてくれる。いい思いでもあれば悪い思い出もある。
 俺にとって春はそういう季節であり、よくよく考えてみると今回の事件もやっぱり春の出来事なのだな、そう桜は俺に感じさせてくれた。


 ――やはり佐藤ばかりに頼る訳にもいかないな。


 昨日の決意どおり、俺は一晩かけて独自に動く事を決めた。今のままではやはり情報は少ない。だからこそ、まずは情報収集だ。
 幸いな事に……今日も英語の時間はあるのだから――










 教室の扉を開く。するとそこには時間的にギリギリなこともあって教室内は賑わっていた。赤星は珍しく一人で自分の席に座って何かを考えているようだった。俺は迷わず、赤星の席へと足を進めることにした。


「どうした、赤星。考え事か?」

「ん? あぁ、高町か。例のことを考えてた」


 赤星は笑顔を見せてくれた。だが、その笑顔はいつもより精彩がなかった。俺に心配かけまい、と無理に笑ってくれたのだろう。


「そうか……実は俺も登校途中同じ事を考えていた」

「やっぱり、忘れられることじゃないよな」

「うむ」


 俺たちの間に無言の時が流れる。辺りは騒がしいはずなのに、ここだけがまるで別の国に来たような感じがする――俺はそんな事を思い、少し苦笑した。
 そして槙原先生のことが頭に浮かぶ。
 これは赤星に話すべきことなのだろうか。


「そういえば高町。ちょっと気になってることがあるんだが」

「どうした? 俺が答えられる事なら何でも答えるぞ」

「佐藤に聞いたんだが、昨日来た槙原先生の事……知ってるか?」


 俺は少し安堵する。
 自分から話すべきかどうかを悩んでいたところだったので、ありがたい。佐藤に感謝だ。


「あぁ、知ってる」

「やっぱりアレは本当のことなんだな」

「佐藤の言葉には何も疑う理由はない。俺も間違いないと思う」

「そうか……今日英語の授業あるだろ? 俺、顔に出ないかどうかちょっと不安なんだよな」


 赤星の不安ももっともである。
 この場合の最適な対応と言うのは、何も知らない振りをする事なのだから。


「お前なら大丈夫だ。何時ものようにしていればな」

「はは。高町に言われるとそんな気がしてくるのは不思議だな」


 そんな感じに空気が和んだところで、一時間目を知らせる鐘がなる。


「では、また後でな」

「ああ」


 俺は赤星の席を離れ、自分の席に向かう。
 そして自分の席に座り、カバンを机の横にひっかけたところで気がついた。


 ――月村が遅刻か……? 珍しいな。


 隣の席でいつも机に突っ伏している月村の姿が無かった。










 暗闇の中を一人歩く。辺りは静かで、聞こえるのは自分の足音だけ。
 立ち止まり、周りを見渡してみたところで確認できるのはどこまでも続く暗闇だけ。
 そんな事が無意味だと悟ると、俺は再び歩き出す。


「ここはどこだ?」


 口から出てきた言葉は暗闇へと消え、答えてくれる相手などいないことを教えてくれていた。
 そうして数分だろうか、もしかすると数十分は歩いたのかもしれない――はるか向こうにうっすらと光が見える。
 俺はそれを見とめると、それに向かって走りだす。
 景色は変わらず、光に近づく様子もない。もしかすると足がとんでもなく遅くなってしまったのではないか、そんな事まで思ってしまう。
 やがて息を切らし、その場に立ち止まってしまう。荒れた呼吸音だけが聞こえる。
 息を整え視線を前に戻した時、光は目の前にあった。
 俺は自然とその光の中を覗き込むようにして見た。
 そこには――片手のない月村の横たわる姿があった。










 視界には真っ白のノートが見える。
 俺はゆっくりと体を起こす。教室の前では、教師が淡々と授業を進めている。
 時計に視線を送ると、針は四時間目がもうすぐ終わる時間を刺していた。


 ――さっきのは……夢か……


 さっきの出来事が夢であった事を幸運に思い、俺は安堵した。
 そしてゆっくりと深呼吸を三度行い、息を整えた。そして、隣の席に目をやった。
 だが、その席は未だ空席だった。


 ――風邪でも引いたのか?


 知り合う前までは全く気にならなかったのに、知り合ってからは何故か一日欠席しただけで気になってしまう。
 先程の夢の事もある。夢だとわかっているが、タイミングが悪すぎる。何もこんな時にそんな夢を見なくてもいいではないか。


 ――むしろ理由は逆なのかもしれん。


 そう思った時だった。教室の扉がガラリと音をたてて開いた。
 そこには、少し照れた顔の月村が立っていた。










「ちょっと朝、色々あって来れなかったんだよ」


 月村の話にうどんをすすりながらうなずく。


「まぁ、大事無くてなによりだ」

「ふふ」


 月村も俺と同じようにうどんをすする。
 穏やかな雰囲気が流れる。こんな雰囲気は学校では久しく味わってなかったな、と。
 友人と二人で静かにうどんをすする――初めての出来事かもしれないな。


「なんか、いいよね。この雰囲気。はじめてだな……学校でこんな風に誰かと居る事ができるのは」

「――俺も……同じだ」

「あ、そうなんだ。赤星くんとは一緒にこうした事ないの?」

「あいつは人気物だからな。こうやって静かに食べてられない」

「なるほど」


 二人ともうどんに箸を伸ばす。
 熱々の湯気が何とも食欲をそそる。
 俺は少し笑いながらうどんを再びすすった。

 しばらく二人でうどんを食べていると、騒がしい食堂の中で最近知った気配を感じた。
 その気配はこちらに近づいてくる。おそらくは俺に用があるのだろう。俺は残りのうどんを一気にすすり、そちらの方に視線を送った。
 するとそこには案の定、山根さんの姿があった。
 彼女と視線が合う。すると、長い黒髪をなびかせて薄く笑みを浮かべた。


「高町さん。昨日ぶりですね」

「ああ」

「そちらの方は……」


 山根さんの視線の先には月村が居る。この二人は初対面なのだ。


「あぁ、俺のクラスメイトで友人の月村だ」

「そうですか。月村さんですね。はじめまして、私は生徒会副会長の山根です」

「――えぇ、よろしくね。山根さん」


 月村はそう言うと、何時の間にか食べ終わった器を持ち、席を立った。


「じゃあ高町くん。先に戻ってるね」

「ん? あ、あぁ」


 そして月村は足早に立ち去っていった。
 一体どうしたのだろうか。


「すいません……邪魔しちゃったみたいですね」

「ん? いや、そんな事もない。気にするな」

「――噂どおりの方ですね」


 山根さんの言葉に少し疑問を持つ。が、聴いても昨日の通り教えてはくれぬだろう。だから、ここは流す事にした。


「で、わざわざこんな所で話しかけてきたんだ。何の用だ?」

「えぇ、昨日槙原先生のところに行ってきたので、それについて少々」


 山根さんの笑顔で場が凍りつく。


「それなら場所を変えた方がよくないか?」

「いえ、これほど騒がしいのです。誰も気に留めないでしょう」


 長い髪をなびかせ周囲を見回す。その姿には月村とまた違った美しさがあった。


「それなら話を聞こう」

「端的に申せば、彼女はやはり白です。犯人ではなくて会長の想像通りの方でした」


 彼女の言葉に内心安堵する。それなら、午後の英語の授業も緊張せずに受けられるというもの。


「ただ、彼女は警察ではないようです。関係者ではあるのですが、フリーの協力者。探偵みたいな人らしいです。それも後方支援ではなく前線に向かうタイプの」

「ほう……槙原先生は何か武術の心得でもあるのだろうな。でなければ、前線で警察の仕事を手伝えないだろう」

「そう言う訳でもないようですよ?」

「――ん?」


 予想外の言葉に俺は疑問を持つ。武術を修めている訳でもないのに前線で活躍するタイプ。そんな人がいるのだろうか。


「高町さんは……HGSと言う言葉を聴いた事はありますか?」

「名前だけなら聞いたことあるな」

「まぁ、私もよくは知らないのですが、槙原先生はHGSと呼ばれる人種な為前線に出る事ができる、とか。会長が言うには、今回の件にはあまり関係がないらしいので余り気にする必要はないかと」

「――――」


 山根さんの言葉に少し考えにふける。
 槙原先生の謎にまた一つ謎が加わった。


 ――本当にそれは関係のないことなのだろうか。


 佐藤の言葉から俺は二通りの意図を感じた。
 一つは本当にこの事件には関係のない事。もう一つは関係あるが、俺は知る必要のない事だ。


 ――佐藤の言う事ならばどちらにしても大事にはならないのだろうが……


 何となく、俺は知っておかねばならない事なのだ、と感じた。


「教えてくれてありがとう。これで午後の英語の授業を安心して受けることができる」

「いえ、気にしないで下さい。約束でしたから」


 彼女の返事にうなずくと、俺は器を持ち立ち上がる。


「じゃあ俺はそろそろ教室に戻る。山根さんも急いだ方がいい」

「えぇ、では私も失礼します」


 彼女は頭を下げ、踵を返し先程と変わらぬ歩調で食堂をまっすぐ出て行った。
 俺はその後姿が見えなくなるまで確認すると、思い出したように器を返却口まで持っていった。










 彼女の少しハスキーな声が教室内に響く。
 そして俺は授業内容をノートに書き写す。隣の月村はすでに夢の中。相変わらず文系科目には興味のない奴だ。

 教科書を読みながら教室内をゆっくりと闊歩する。そんな槙原先生の姿を、俺は純粋に綺麗だと思う。


 ――しかし……HGSとは一体何なのだろうか。


 ノートに黒板の内容を書き写している間でもその事が頭から離れない。
 何故かその言葉がひどく気になっている自分に気がつく。
 視線を黒板から窓の外へと向ける。


 ――そういえば……俺はどこでHGSと言う言葉を聴いたのだろうか。


 名前は聞いたことがあるのに、意味を思い出せない。一体どのような状況でその言葉を知る事になったのだろうか。
 TVか、雑誌か……いや、そんな物ではなかったのだろう。何か大切な出来事があったような、そんな気がする。
 考えにとらわれ……俺は槙原先生が教室内を歩いていることを忘れていた。


「そこの色男。私の授業より空を眺める方が楽しいか?」


 教室内を笑い声が支配した。












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手のひらの中の奇跡 -リスティ視点 第6話-

 ―4月11日―

 リスティ視点 第六話












 無事午前中の業務を終えたボクは、今自販機で熱いコーヒーを飲んでいた。
 周りは長ったらしい授業が終わり、束の間の休息をめいっぱい楽しもうとする生徒たちで溢れていた。
 中にはボクが午前中授業を担当したクラスの子たちも居て、ボクを見かける度に挨拶をしてくる。そんな彼らの姿を見て、ボクは先生と言うのも悪くないな、と思ってしまう。
 だが、決して当初の目的を忘れた訳ではない。ただ、こういった楽しみも無くてはやっていられないだけだ。


 ――ま、何も手がかりを見つけちゃいないんだけどね。


 ボクは紙コップの残り少ないコーヒーを一気に飲み干し、それを握りつぶしてゴミ箱に投げ入れた。
 午前中の空いた時間に適当に食事を取ったボクは何かを食べにこの食堂に来た訳ではない。コーヒーでも飲んで一服しておきたかった事と、食堂は今どんな感じになっているのだろう、と言う純然とした興味からだった。
 その用事を終わらせたボクは当然ここに居る必要はない。
 だから職員室に帰ろうと後ろを振り返った時だった。前方に見覚えのある姿を見つけたのは。


 ――アレは……フィアッセの知り合いの……確か恭也だったかな。


 その高町恭也は丁度階段を降りて来た所らしい。
 どうやら何かの理由でスタートダッシュに遅れたのだろうか――かわいそうな事だ。
 そこでボクは一ついい考えを思いついた。


 ――フィアッセの知り合いならば信用できる。


 ボクは彼に自分の立場を少し匂わせることを考えたのだ。
 無論これだけで事件が解決の方向に進むとは考えていない。ただ単に、彼に興味が沸いただけだ。
 しかし、普通に協力を要請する訳にはいかない。ボクも立場が立場だ。事件が絡んでいる、という事を匂わせるだけでいいだろう。


 ――それに、一方的に忘れられていると言うのも悔しいじゃないか。


 そう、一番の理由はボクの悪い癖である、悪戯心なのだ。
 ボクはそう決めると、彼の方へ足を踏み出す。
 すでに彼はボクの姿に気づいていたらしく、ボクが近寄るのを無表情な顔でこちらを見ている。そんな彼にボクは笑みを浮かべて、口を開いた。


「確か、高町くんだったかな」

「はい」


 顔に少しの変化もなく、ただ無表情な顔でそう彼は返してきた。
 ボクは胸元からタバコと携帯灰皿を取り出す。禁煙とはわかっているが、タバコを吸うのはこの場に必要なファクターだ。


「少し時間いいかな。君と話しておきたいことがあってね」

「――俺と……ですか?」


 彼は少し怪訝そうな顔つきで言う。
 まぁ、ボクが彼と同じ立場でも同じような反応を示すだろう。だが、わかってはいるものの心では割り切れないモノがある。


 ――せめて、もう少し愛想良くできないものかな。


 そう思い、ボクは常備してあるライターを袖口から取り出す。


「ああ、そうだ――と、失礼するよ。これがないとどうも駄目でね」


 ボクはタバコを口に含み、それにライターの火を近づける。やがてタバコから煙が立ち上がり、ボクは紫煙をおもいっきり肺の中に吸い込んだ。そして、それをゆっくりと吐き出す。
 その一連の動作を終えた後、再び彼の顔に視線を戻すと、彼は何故か深呼吸をしていた。
 彼は少し緊張しているようだ。もしかすると、彼は少し照れているのだろうか。
 ボクはそれに気づくと、顔には出さないものの、少し嬉しく感じた。


 ――落ち着いているようで、案外ウブなんだね。可愛いトコあるじゃないか。


 ボクは内心ほくそ笑んだ。
 そして、この時間に彼が食堂に向かっていたことを思い出した。


「さて、あんまり時間を取らせても可哀想だ。手短に話すよ」


 彼は落ち着いたのか、少し顔をひきしめた。ボクの態度から、真剣な話だということに感づいたらしい――いい勘をしている。
 そして、言葉を選び、これが最適だろうと言うモノを口にした。


「最近、この学校では原因不明の病気が流行っているそうだが。かく言う私もそれが理由でここに来た訳なんだけど……君、何か気づいていないか?」

「―――ッ」


 彼は露骨に反応を示してくれた。
 まさかビンゴだったとは思わなかった。ここの所不運続きだったボクはまだ天に見放された訳ではないようだ。
 チャンスと思い、予定以上のところまで踏み込むことにした。


「そうか、結構。今の君のリアクションで大体わかった。なら改めて君に説明する必要はないと思うが――アレは病気ではない。何者かが引き起こしている犯罪だ」


 彼は目を見開き、ボクを何者なのか、と言う目で見ている――少し眼光を強くしすぎただろうか。加減が難しい。


「それを俺に話して、どうされるつもりですか?」


 少し震えた声で彼はそう返してくる。


 ――もしかしてこの子が犯人? いや、まさかな。フィアッセの知り合いがこんな真似できる訳がない。しかし、この反応は事件だと知っていなければできない反応……でも、これ以上はここで追求するのは無理か。


 ボクは彼に向ける眼光を和らげることにした。
 そして、先程より柔らかな口調を心がけ、口を開いた。


「いや? 特に何かをしようという訳じゃない。少し君の反応を見ておきたかっただけだよ。君は中々に面白い人間のようだ」


 ボクは少し笑いながらそう言った。
 これは本心からの答えだ。アレが事件だと気づいているのなら黒であれ、白であれ、面白い人間だ。今日はそれで満足しておこう。


「これから先が楽しみだ」


 思わずその言葉が口から飛び出した。
 これは迂闊。ここまで喋るつもりではなかった。
 だが、今更後に引く訳にもいかず、ボクはこのイメージを貫く事にした。


「ハハ、そう怯えなくてもいい。悲しくなるじゃないか。別にとって食おうって訳じゃない。まぁ、今日は君と話せてよかった。では、また授業で。See you」


 ボクは怯える彼の横をゆっくりと通り過ぎ、そのまま振り返らずに歩いていく。
 確かに一般人からすればボクの目は怖いのかもしれないが――ま、仕方ないことなのかもね。

 空を見上げると曇りなき青空が広がっている。まるで、先程の彼のように純粋な空だった。


 ――ボクにもあんな時代があったのかな。


 今更誰かに聞くわけにもいかない事を思い、ボクは首を左右に振り職員室に戻ることにした。











 そして午後の業務も終え、職員室で帰る用意をしていた時だった。
 ボクは慣れない仕事に少し疲れていたものの、教師という職業は中々面白く、心地よい疲れというものを感じていた。
 周りの先生たちとの色々な世間話も楽しかった。
 所詮臨時講師と言う立場のボクには残業なるものはない。だからボクはこれから越野の所に報告を兼ねて文句を言いに行こうとしていた。
 その時、背後で聞き覚えのある声が聞こえた。


「失礼します」


 振り向くと、そこには風芽丘学園生徒会長の姿があった。
 彼に関しては午後の授業中に一度顔を合わせているので、特に驚くことはなかったが、まさかボクへの用事でここに来たとは思わなかった。
 彼は礼儀正しく一礼すると、まっすぐボクのところにやってきた。


「槙原先生、今日の授業に関して少し質問があってやって参りました」

「――そうかい。じゃあ表でコーヒーでも飲みながら聴こうじゃないか」

「奢りですか?」

「馬鹿を言うな」


 ボクは彼の意図がわからなかったが、学年TOPの秀才と言われている彼がたかだか学校の授業に関して質問をしにくるとは思えない。おそらくはボクがここに来た理由を聞く為にやってきたのだろう。
 全ては話せないが、丁度いい。彼とは少し事件について話しておきたかった。

 ボクは彼を連れたって職員室に外に出て、食堂の方に向かうことにした。あまり人に聞かれたくない話だが、表なら誰も気に止めることはないだろう。
 食堂までの道中、お互い無言で歩いていた。それほど真剣な用事のようだ。
 そして、お互いの飲み物を購入したところで、ボクは口を開いた。


「さて、佐藤くんだね。あの時はありがとう。で、今日は何のようだい?」

「いえいえ、ナイトならば当然のことです」


 あの時のような台詞にプラスして恭しい態度で彼はお辞儀をした。
 顔をあげると、先程の真剣な顔を打って変わって爽やかな笑みをその顔に映していた。


「今日あなたを尋ねてきたのは他でもない。例の事件のことです。おそらくあなたがここに居るという事は今この学園で起こっている謎の意識不明事件との関連性に気づいたのでしょう。ですから今更言うような事でもないのですが、一応。私もあなたと同じく、この事件はあなたを襲ったチンピラたちと関係があるでしょう」


 佐藤は芝居がかったような口調でそう言った。
 あの場にこの男は居たのだ。見抜けない方がどうかしている、というものだろう。


「そして、私はあなたにお願いがしたくてここにやってきました。お願いします。生徒会長としてこの事件を解決してください」

「それは言われるまでもないよ。ボクはこの事件を解決する為にここに来たんだ」

「そうですね。私の方も色々と学校内では人脈がありますので、そっちの方から調べることはあなたよりも簡単です。ですから、私が聞いた噂などはあなたに全て渡します。これなら、より早くこの事件を解決できるでしょう」


 佐藤は笑みを浮かべた顔を少しも変えずにそう言った。相変わらず変わった男だ。だが、その申し出は正直ありがたかった。


「それは助かるね。ボクは今日初めてここに来た。なので、そっちの方の情報収集には疎い。頼めるかな」

「もちろんです。できるだけ早くこの事件を解決しましょう」


 彼の差し出す手を握る。彼を百%信用した訳ではないが、情報をくれると言う申し出はありがたい。利用させてもらおう。


「で、今わかってることは何かあるかな」

「――そうですねぇ……今朝の話ですが、海中の体育教師までもが襲われました。という事は、犯人はかなり腕に自信のあるやつに間違いないでしょう」

「へぇ。その根拠は?」


 ボクの返事に先程のように芝居がかった仕草をする。


「それはですね。この学校は海中も含め運動は盛んです。なので、体育教師は全員なんらかの武道を修めています。そんな人を襲えるんだ。間違いないでしょう」


 佐藤の言葉を聞いて、ボクは一つ疑問に思う。だが、ここではそれを言おうとは思わなかった。


「確かに。それで人物が絞れると言う訳でもないが、警戒はできそうだ」

「あながちそう言う訳でもありませんよ」


 佐藤が異なる事を言う。


「それはどういうことだい?」

「その先生。天才的な護身道の達人なんですよ。先生以上の腕を持った学校関係者なんて片手で数えるくらいしか居ません」

「――なるほど」


 護身道とは自分の身を守る為の武道。その武道を修めている達人とまで言われる人間がやられたのだ。生半可な腕では襲えまい。


「で、目星はついているのかい?」

「―――」


 佐藤は今まで見たことのない渋い顔を見せる。


「これはあくまでその先生より強い人物、という仮定で出す答えです。これが百%その通りだ、という保障も私にはとてももてません。それでも構わないですか?」

「構わないよ」


 佐藤は目を閉じ、深く深呼吸をする。
 そしてそれが終わると、目を開き、真剣な顔でボクの方を見る。


「私が知っているのは二人です。他にもいるかもしれませんが……まず一人は昨年剣道のインターハイでベスト十六まで勝ちあがった、現3-Gの赤星勇吾」


 ボクの頭の中にその赤星くんの姿が浮かんだ。今朝最初の授業で担当したクラスに居た生徒だ。印象的なルックスだったので、忘れられるはずがない。
 なるほど、彼の体格ならば有り得る話か。


「そしてもう一人……」


 彼は少し言いづらそうな顔をしている。
 それが意味するところはすぐにわかることだった。


「現風芽丘生徒会長である。この私です」

「―――ッ」


 なるほど……ならば言いづらいのも理解できる。
 だからこそ、信じて欲しくないと言っていたのだろう。


「理解していただけましたか?」

「あぁ、今の話は参考程度にとどめておくよ」

「ありがとうございます」

「まぁ、今日はこれだけかな。他なければボクは帰るけど」

「あ、はい。後は私の方も追々調べていきます」


 そうして、ボクは彼と別れた。
 彼の話をもう一度思い出してみる。
 確かに、彼の話は納得できる部分がある。伊達に生徒会長をやっている訳ではなさそうだ。人望もあるだろう。だからこそ、ボクにも彼と協力する利点がある。


 ――でも、彼にはどこか信用できない部分があるね。


 そう、ボクはそのせいで手放しに彼を信用できていない。
 確かに彼はボクを助けてくれた。学校内でも信用の厚い人物だろう。


 ――あまりにも潔白すぎる。


 そう。彼はあまりに潔白すぎる。
 だからと言って、彼が犯人だ、と言うこともそれ以上に有り得ない。
 彼が犯人だとして、どうしてボクを救う必要があった。どうして今日事件解決の協力を要請に来た。
 犯人と考えると納得のいかない部分が多すぎる。
 だからと言って、手放しで信用できないのはただのボクの勘だ。彼を百%信用してはいけない、という勘だ。


 ――まだ、情報が少ないな。


 胸元からタバコを取り出し、それに火をつける。
 立ち上がる煙は風にゆられ、天に昇っていく。


 ――わからないことだらけだ。


 一筋縄ではいかない事件のようだ。












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手のひらの中の奇跡 -恭也視点 第四話-

 ―4月11日―

 恭也視点 第四話










 俺は食堂へと足を進めている。
 佐藤との会話にかまけ、月村には悪いことをしてしまった。
 階段を一段飛ばしで駆け下りる。


 ――俺のこの力……役に立つ時が来たのだろうか。


 階段を一番下まで下りたところで、俺は右手をぎゅっと握り締めた。
 できることならこの力、振るいたくないものだが――そう思い、食堂の方向に目を向けたときだった。
 俺の目の先には槙原先生の姿があった。
 彼女の方も俺に気づくと、ゆっくりとこちらにやってきて、笑みを浮かべた。


「確か、高町くんだったかな」

「はい」


 槙原先生は胸元からタバコと携帯灰皿を取り出した。


「少し時間いいかな。君と話しておきたい事があってね」

「――俺と……ですか?」

「あぁ、そうだ――と、失礼するよ。これがないとどうも駄目でね」


 彼女はタバコを口にくわえると、どこから取り出したのかライターを手に持ち火をつけた。
 思わず彼女のその動作に何故か俺は見惚れていた。


 ――何を考えている。相手は教師だぞ。


 俺は高鳴る胸を押さえつけるように薄く深呼吸した。
 その間、槙原先生はタバコをゆっくりと楽しんでいた。


「さて、あんまり時間をとらせるのも可哀想だ。手短に話すよ」


 槙原先生は右手のタバコで俺を指し、残った左手は右手のひじのところにある。


「最近、この学校では原因不明の病気が流行っているそうだが。かく言う私もそれが理由でここに来た訳なんだけど……君、何か気づいていないか?」

「―――ッ」


 彼女は表情を一変させ、鋭い目つきで俺を見据えてそう言った。
 俺は不覚にもそれに反応してしまった。


「そうか、結構。今の君のリアクションで大体わかった。なら改めて君に説明する必要はないと思うが――アレは病気ではない。何者かが引き起こしている犯罪だ」


 俺は彼女の美しすぎる顔が怖いと感じてしまった。
 一度怖いと思えば、それはたいした事でなくても悪鬼羅刹の類となり俺を襲う。
 そして俺は考える。
 何故この人はこうも気づいているのだ、たまたまここに配属されたのではないのか、と。
 俺は最低限のプライドを保つ為に、こう言った。


「それを俺に話して、どうされるつもりですか?」


 声の震えを必死で抑えるが、完全に抑えきれた訳ではない。
 足も小刻みに震えている。


「いや? 特に何かをしようという訳じゃない。少し君の反応を見ておきたかっただけだよ。君は中々に面白い人間のようだ」


 槙原先生は、少し怖い笑みを浮かべた。


「これから先が楽しみだ」


 俺はその笑顔に魅了されると共に、恐怖を感じた。
 何故だかわからないが、彼女には俺の力を持ってしても敵わないと思わせる何かがあった。
 それがわからない限り……俺はこの場を動く事はできなかった。


「ハハ、そう怯えなくてもいい。悲しくなるじゃないか。別にとって食おうって訳じゃない。まぁ、今日は君と話せてよかった。では、また授業で。See you」


 槙原先生は俺の横を通り過ぎ、そのまま歩き去っていった。
 俺は彼女の気配が消えるまで、その場から一歩も動く事はできなかった。










 流れる教師の言葉を左から右へと聴きながす。
 先ほどの槙原先生との会話を頭に思い浮かべる。
 確かに俺は彼女に恐怖した。だが、よくよく考えてみれば俺の思い違いではなかろうか。
 俺が勘違いしただけで、会話の内容自体はごくごくありふれた会話ではなかっただろうか。


 ――そうだ、そうに違いない。


 俺は隣の席に目をやった。
 すると隣の月村がこちらの視線に気がつき、にっこりと笑った。
 俺はそれに目を伏せることで返事をすると、再び自らの考えに没頭する事にした。

 佐藤が言うには、この事件には確実に犯人が居るという。
 単独犯か、複数犯か――そこまでは俺には推測できない。ただ、常に最悪の状況を考えておけ、という戦術通り俺は複数犯だという予定で動くのみだ。
 最終的な推理は佐藤に任せておけば良いが、俺自身自分なりの結論を頭の中で作っておかねばならないだろう。
 でなければ、笑われてしまう。

 手元のシャーペンを数回ノックする。
 出てきた芯を机に押し付け、再び中に戻す。


 ――もう一度、佐藤や赤星と話をしておく必要があるな。


 今の情報量では推測すらできやしない。
 俺はそう思うと、机に伏せ、夢の中に向かう事にした。


 ――できる事なら月村は巻き込みたくないものだが……


 少し心の中で抱いている不安に答えるようにそう思うと、俺は聞こえてくる声を子守歌に、眠りについた。
 それが、都合の良い希望だということも――最初からわかっていたのだ。











 そして、放課後になった。
 赤星に話しかけようと思い、赤星の方を見ると、赤星は竹刀を持ち、立ち上がっている所だった。
 なるほど、赤星はこれから部活だろうから、話に誘うのは悪い。となると、佐藤の方か。
 そう思い、俺は佐藤のいる教室に向かう事にした。

 カバンを持ち、立ち上がる。すると、隣の席の月村が話しかけてきた。


「あ、高町くん。また明日ね」

「あぁ、また明日」


 俺は微笑みながら言う忍に同じ挨拶を返すと、教室の外に向かって歩き始めた。
 佐藤に聞きたい事はいくつかある、そう思いながら俺はカバンを肩に担ぐ。
 そして、俺は外まで出たところで重要な事に気がついた。


 ――佐藤の教室……どこだ?


 交友関係の少ない俺には、近くの教室から総当りするしか方法は無かった。










 そうして、一つ一つ教室を当たっていった所、三番目の3-Dの教室で今まさに帰る用意をしている佐藤の姿を発見した。
 一応、礼儀として教室に入る前に一言断りを入れ、教室の中に入っていった。
 すると、佐藤は俺の声に気づいたのか、こちらの方を振り返ると、途端に嬉しそうな顔をした。


「どうしたんだ? 高町くん」

「いや、少し例のことについて聴いておきたい事があってな」

「そうか、じゃあ少し待ってくれ。ここで話してもいいが、折角だから生徒会室へ行こう。あそこならば、邪魔な人間もいない」

「――了解した」


 少し待つと、佐藤は言葉どおり帰る用意を済ませたようだ。
 そして、俺は佐藤と一緒に生徒会室へと向かう事となった。


 ――俺には無縁の場所だと思っていたのだがな。


 こんなカタチで入る事になるとは、思いもよらなかった。
 人生短いながらも、色々な事があるものだ。

 そうして、俺たちは軽い世間話をしていると、数分後目的の場所へとたどり着いた。
 佐藤はポケットの中から鍵を取り出すと、それを使って扉の鍵を開けようとした。だが、鍵を回しても扉の開く気配がなかった。という事は。


「中に誰か入っているようだね。おそらくは、山根さんか中山くんかな」


 そう言うと、佐藤は改めて鍵を開けなおし、扉を開いた。
 中には制服から考えて二年生の女の子が座って、何か作業をしているようだった。
 腰ほどまで届く黒髪と少し釣り上がった目が特徴のようだ。
 彼女は俺たちを見とめ、立ち上がり俺たちの方に近寄ってきた。
 立ち上がって初めてわかったが、どうやら彼女は百七十センチを越えているのではないだろうか。


「あ、会長。お疲れ様です。来週の委員会の書類をまとめておきました」

「ご苦労様。アレだったら少し休憩しないかい。今日は彼と例の話をしようと思って」


 おそらく山根さんという名前の子が俺の方を興味深そうな目で見ている。
 やがて納得したような顔をすると、俺の前に進み出て礼儀正しく頭を下げた。


「初めまして、山根と申します。ここ生徒会では副会長を務めております。高町さんですね? お噂はかねがね」

「――よろしく。ところで、噂というのは何だ?」

「知らぬ方が良い、という噂もあるものです」

「――――」


 俺らの問答を見て、佐藤が笑っている。
 佐藤の方に視線を向けると、両手を前に出して首を左右に振った。


「ま、取り敢えずそこに座るといい。山根さん、お茶頼めるかい?」

「――ご自分でご用意ください、と言いたいところですが、今日は特別です。少しお待ちください」

「いや、お構いなく」

「まぁまぁ、高町くん。お客は甘えるもんだよ」


 山根さんは俺の方に笑顔を向けると、そのまま部屋の隅にあるポットのところに向かった。
 彼女の好意に感謝し、俺は机の向かい側に座る佐藤に視線を向けるのだった。


「佐藤、先程言ったように少し聞いておきたい事があるのだが」

「あぁ、聴こう。彼女の事は気にしなくていい。彼女も協力者だ」

「――なるほど」


 俺は目を閉じ、心の中で質問する事項をまとめる。
 おもに聴きたいことは彼女の事についてだ。俺よりも頭のいいこの男ならば、何かいい意見でも出してくれるかもしれない。
 そう思い、俺は目を開け、口を開くのだった。


「今日来た臨時講師……槙原先生の事なんだが」

「おや、意外な名前が出たね。で、どうしたんだい? 俺も昼休みの通り、彼女の事を良く知る訳じゃないが」

「少し意見を聞こうと思ってな」


 タイミングよく山根さんの手によりお茶が配られる。
 俺はそれに会釈で返し、お茶を一口すすった。


「お前と話したすぐ後の事なんだが……槙原先生にあってな。聴かれたんだ。事件の事を」

「――ほう」


 佐藤の目がまじめなものに変わる。


「彼女は言っていた。これは事件だ。誰かがこの事件を引き起こしている、と」

「――――」

「どうやら彼女は何かを調べているようだが、どうだろう。お前の意見は?」

「――――」


 佐藤はお茶を手に取ると、ゆっくりとそれをすする。
 たっぷり十数秒の沈黙の時が流れる。
 そして、佐藤は口を開いた。


「それを聴いた時、高町くんはどのような印象を持った? 俺はそれが全てを物語っていると思う」

「――俺が感じた印象」


 俺が感じたのは、美しすぎる彼女に対しての恐怖だった。
 心はそれを佐藤に話すべきだ、と言っている。だが、つまらない自制心が俺を押しとどめた。


「まぁ、それとは無関係に俺の意見を言わせてもらえるなら――槙原先生は、警察関係、もしくは何か諜報機関に所属している人なのではないか、と思う。この事件、もしかすると俺が考えている以上に大変な事態なのかもしれない」

「――大変な事態」

「そうだ。もしかすると、警察は俺らの知らない何か大切なことを握っているのかもしれない。流石に俺たちのような学生じゃ到達し得ない何か大切な事態を、だ。そうだな……山根さん、何か感じた事はないかい?」


 佐藤の質問に、山根さんは思案するように視線を上げる。
 そして、何かを思いついたのか、俺たちの方に視線を戻した。


「私は槙原先生と言う方が、何故高町さんにその事を喋ったのか、が気になります。極秘捜査な訳でしょう? それを簡単話す、と言うことは何かそこに理由があるはずです」


 彼女の発言に、俺たちはそろって頷く。
 そうだ、つまりそう言う事になる。
 何で彼女は俺にその事を話したのか、と。


「そうだね。山根さんの言う通りだ。何故彼女は高町くんに喋ったのか。これは重要な事だと俺は思う。そうだな……俺の方から彼女に接触してみよう。こういう役は高町くんには不向きみたいだろうからな」

「そうしてくれると助かる。不器用な男だからな、俺は」

「なに。君には他に取り得がある。そちらで働いてもらうさ。山根くん。じゃあ、行こうか。今からでも接触できるならできるに越した事はない」

「そうですね。行きましょう」


 佐藤と山根さんは同時に立ち上がる。
 俺はそれを見て、残りの茶を一気にすすり、立ち上がる。


「悪いな、二人とも。世話になりっぱなしだ」

「気にするな。じゃ、俺たちはこれから槙原先生を探しに行くから、高町くんは帰るといい」

「あぁ、後は頼む」


 俺たちは揃って生徒会室を出、そこで俺は二人と別れることになった。
 最後に山根さんに一言茶の事で礼をいい、俺は帰宅する事にした。


 ――リスティ槙原……彼女は一体何者なのだろうか。


 俺は考える。
 夕暮れの帳の中、真っ赤な廊下は長く……俺の今の心境を表しているようだった。











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  1. 2005/11/13(日) 01:33:30|
  2. とらいあんぐるハートSS|
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霧城昂

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