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She led to wide-scale bloodshed -第一部 第1話-

 物語はこの世界最大の国、ザール帝国を舞台に幕を挙げる。

 ザール帝国は帝都を中心に5つの大きな町でできており、商業や軽工業も盛んな国であるが、主な産業と言うとやはり鉄鋼業であろう。
 帝都最大の工業区のあるパンテラの町――帝都ライオットより百数十km北――では、すぐ近くに鉱山がある為、主に武器の生産により経済を発展させている。勿論、住民の苦情もかなり出ており、町長も困り果て、帝都に鎮圧要請を出したのは、つい最近の話だ。

 その他いくつか特徴のある国ではあるが、その中で一番の特徴を挙げるならば、その圧倒的軍事力であろう。
 隣国ウィナー帝国との長きに渡る戦争により、民や国は疲弊を余儀なくされた。それを打開したのが北方のスール王国との戦争に打ち勝った原動力でもある帝国近衛騎士団である。
 帝国最強の近衛騎士団「リング12」がウィナー帝国の数千の兵士相手にたった12人で勝利を修めたのは記憶に新しい。その際、最も際立った活躍をしたのが、リング12団長ロバート=D=シュテッケンと若輩ながら天才的な剣技を披露するブルー=C=ドレイフォードだ。
 この戦争――ルクレツィアの丘の決戦――での活躍により、シュテッケン団長と騎士ドレイフォードは、それぞれザール帝国騎士団最高の栄誉でもある円卓の位を授与された。シュテッケン団長には「ガラハッド」、騎士ドレイフォードには「ラーンスロット」を。
 そして、この戦争によりウィナー帝国との戦争は一時停戦。ザール帝国に一時の平和が訪れたのである。

 そして、この物語はルクレツィアの丘の決戦よりわずか1週間後から始まる。長きに渡るウィナー帝国とスール王国との戦争により軍は疲弊していた。その為、国王は打開策に徴兵制度を採ることにした。多数の反対意見もあったが、それ以外に打開策はないと考え、そのまま押し切り、数百人を新たな軍兵として採用した。
 そして、その中にこの物語の主人公レイ=ミーヤの姿もあった。










She led to wide-scale bloodshed -第一部 第1話-










 ――何でこんな事に、そんな事を考えるのはこれで何回目であろうか。十回を超えた辺りで数えるのを止めたのはおそらく正解だったのだろう。そんなくだらない事を私は馬車に揺られながら考えていた。

 さて、今の状況について少し話しておこう。
 長きに渡る二国との戦いにより世界最大を誇る、さしものザール帝国も軍の疲弊を防ぐことはできなかったようだ。その為、国民から才能のある隠れた人材、および軍の頭数をそろえる為に国は数十年ぶりに徴兵制を採った。
 ここまで言えばわかると思うが、私はそれに選ばれ馬車で王城に連れて行かれている最中であった。何やら私には物凄い才能があるらしく、国王に直接ご拝謁を賜る権利の取得に成功した訳だ。

 ぼんやりと窓から外を見ると、景色がかなりの速さで流れていく。景色が不定期に揺れているのが少し気に食わない。王城への道くらいちゃんと舗装しろ、と言いたい。
 じっと景色を眺めていると、今を一所懸命生きている人たちが目に映った。私も数時間前まではあの人たちと同じだった。現状に諦め、理解し、そして生きていく。私もそんな人たちのお仲間であったはずなのだ。しかし、運命は皮肉なもの。私を放っておいてはくれなかったようだ。
 それから十分程馬車に揺られていると、段々と景色が流れる速さが遅くなってきた。どうやら王城に着いたらしい。その証拠に景色の外は見慣れぬ高い壁が目に映った。
 ――やれやれ、これからどうなる事か。
 そんな事を考えるのが精一杯だった。










 時を同じくして、ここは円卓の間。騎士団の各中隊を率いる長、つまり「リング12」と呼ばれる騎士たちが一同に集まっている。理由は、今回の徴兵制での件だ。


「団長、何故我々が集められたのか。今回の件については話がもう済んでいるではないですか」


 如何にも騎士だ、と言う感じの髭を蓄えた男がそう言った。その言葉に他の騎士たちも、同感だ、と言わんばかりに各々首を縦に振っている。


「如何にも、諸君らに集まってもらったのは他でもない。今回の徴兵制での件であるが。ここで重大な事件が起こった」


 団長と呼ばれた男がゆっくりと答えた。すると、その言葉に騎士たちはざわめき立つ。
 「リング12」が全員集められる程の事件が起こったのだ、並大抵の事件ではないはず、ざわめき立つのも仕方がないと言うモノであろう。
 ざわめき立つ騎士たちを一言で黙らせ、団長はそのまま続けた。


「事件と言っても、国に被害が出た訳ではない。むしろ良い事だ。皆も知っているだろうが、今回の徴兵制により数百人程新たに軍に選出された。その中で一人、天才がいたのだ」


 団長の言葉に少し安堵するモノたち、そして少しざわめくモノたちの正反対の反応が見られた。それもそのはず。天才が現れたと言うことは、「リング12」に入る条件を満たすモノかもしれないということ。それつまりは、自分が外れるかもしれない。そういう事なのだ。
 騎士に有るまじき心配とお思いだろう。だが、騎士も所詮は人なのだ。現在の地位を脅かすヤツが現れるのは好ましくないはず。


「皆、安心しろ。騎士として選ばれた訳ではない」

「団長。それはどういう事ですか?」


 「リング12」の中で一際若い騎士がそう答えた。


「騎士ドレイフォード。それはつまりだな、その者の才能が剣や槍、あるいは斧、弓。これらの才能を持っている訳ではなく。魔術師である、と言うことだ」


 騎士たちは皆納得言ったような顔をしている。しかし、ドレイフォードと呼ばれた騎士だけは少し怪訝そうな顔をしていた。
 それを見とめた団長は少し笑いながら騎士ドレイフォードに問いかけた。


「騎士ドレイフォードよ、何やら疑問が残るようだな? 言ってみろ」

「は、団長殿。確かに才能ある魔術師が現れたのは喜ばしきことでしょう。しかし、何故それだけで我々が呼び出されたのですか? 国一番の宮廷魔術師アンジェラ様と同等の才能を秘めていたとしても、我々が呼び出される理由はないはず? 違いますか?」


 ドレイフォードの鋭い観察眼に団長は少し感心したような顔をすると、その通りだ、と少し椅子にもたれながら答えた。


「確かに、それだけの理由では我々が集まる理由にはならない。騎士ドレイフォードの言う通りだ。つまりは、アンジェラ殿以上の才能があると言う事だ」


 団長の言葉を聴いて、再びざわめき立つ騎士たち。今度は先ほどのように団長は止めなかった。それも当たり前であろう。アンジェラは火術クラスB。それ以上の才能という事は、クラスA以上を保有していることになる。それは正に英雄なれる器があると断定できるのだから。


「団長殿! その者の能力は如何に?」


 ドレイフォードの問いに団長は少し考えるような仕草をした。言って良いものか、そんな表情をしている。しかし団長としてこれは報告しておかねばならない。そんな二つの思いが彼を迷わせているのだろう。
 だが、彼は答えた――水術クラスS――と。










 私の視界には赤い絨毯が写っている。それもそのはず。ここは謁見の間であり、今現在、目の前に皇帝陛下が居られるのだから。


「表をあげよ」


 皇帝陛下のその言葉に、私は顔をゆっくりとあげた。するとそこには、普段遠くから眺めることしか適わない姿がこんな近くで確認することができた。
 その事実に私は少し緊張を覚えた。


「クラスSとの事だが、そのような力を持っていながら、よく名を挙げることをしなかったな」

「は。失礼を承知で申し挙げるならば、私はそのような事に興味が全く沸かなかったのです」


 皇帝陛下のお言葉に、一言一言恐怖を覚えながら私はそう答えた。すると、陛下は私の予想とは違い、顔をおずおずと拝むと、少し笑みを浮かべていた。


「いや、こちらこそ失礼な問いであったな。許せ。私はな、そなたを歓迎しておるのだ」


 陛下の言葉が私には到底信じられぬ言葉であった。
 それもそのはず、私はこの力で様々な虐待にあってきた。その度に手を血で染めてきた私にふさわしい言葉ではなかったからだ。


「ありがたき幸せ――では、私めの処遇は如何に?」

「そうだ、それを決める為に呼び出したのであったな。ふむ、そなたには水の宮廷魔術師として働いてもらいたいのだが、どうだ?」


 陛下の言葉は私には少し眩しすぎた。そのような立派な地位が私に似合うはずもない。そのようなことを考えたが、この場で断る勇気も私には無かった。ならばこそ、陛下の言葉に準じようと。


「わかりました、今日から私は水の宮廷魔術師として名乗りましょう。しかし、本当に私めでよろしいのですね?」


 ――私は何を言っているのか。これでは、先ほどと全く違う態度ではないか。
 そんな失礼に対しても陛下は全く気にせず。そなたでなければならないのだ、とおっしゃった。



 この瞬間、帝国に新たな宮廷魔術師が誕生した。レイ=ミーヤという、一風変わった名を持つ女であった。
 この女が後に帝国に様々な幸運と様々な不幸をもたらすのだが、それはまだ先のお話。今は彼女の言葉に準じ、私にこのような機会を与えてくれたことに感謝しよう。
 それは語り部として幸運なことなのだから。







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――あとがき――
 第1話、いかがでしたでしょうか?

 高校時代に書いたオリジナルではレイが皇帝に謁見すると言うシーンはなく、レイが最初の戦争に出た時の話から始まっています。
 どちらが良かったかはわかりませんが、同じものを書いても仕方ないと言う事で、かなり加筆してしまいました。

 では、次はSSのBlue Moon 第9話でお会いしましょう。
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  1. 2005/05/21(土) 17:18:23|
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霧城昂

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