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Blue Moon 第9話

 朝の日差しが降り注ぐ。そよぐ風は俺に秋を感じさせた。心地よさが半分、寒さが半分。そんな秋の風を体に浴びながら、俺は昨日の事を少し思い出してみた。

 おごってやる、と言った時の月村の驚いた顔。そして、その後の笑顔。
 曲を選んでいる時、くすんだボタンに触れている綺麗な指。
 次々と降って来る矢印に合わせてステップを踏む華麗な足。

 そこまで考えたところで俺は一つ溜息をついた。前々から気づいてはいたが、改めて考えるとどうしようもない程に綺麗だ。
 今度こそ俺は自分の気持ちに確信を持った。俺は月村に恋をしているようだ。そう思うだけで少し胸が締め付けられるようだった。
 ――らしくないな俺よ、もっと毅然としていろ。

 曲がり角を左に曲がると、丁度小学生と思われる男子がこちらに走ってきているところだった。俺はその子とぶつからないように端に寄ってあげた。それに気づかず、その男子は俺の横を通り過ぎて行った。

 思えば何時からであっただろうか。初めて出会った時であったろうか。初めて話した時? それとも、あの花見での席であったか。
 今はもう考えてもわからぬ事か。無駄なことを何時までも考えている――確かに、俺は少し変わったのかもしれないな。

 そんな些末な事を考えている内に、校門にたどり着いた。
 さぁ、せめて顔だけは毅然としていよう。当人はともかく赤星や安田にばれぬようにな。










Blue Moon 第9話










 教室に入ると何時もより騒がしい声に迎えられた。
 何事か、と辺りを見渡すと、俺が来たことに気が付いたらしく、教室の隅の方に居た赤星と目が合った。すると赤星は近くに居た女子に一言声をかけると、こちらの方に向かってきた。


「いいのか、赤星。あの女子と話していたみたいだったが」

「あぁ、ただの世間話だったからな」


 爽やかな笑顔で、本当にこの男らしい台詞を吐いた。会うたびに思うがコイツを好いている女子たちに同情を覚える。
 まぁ、そんなところもコイツのいいところであるのだが。


「で、だ。いつもより騒がしいようだが、何かあったのか?」

「あぁ、もうすぐ文化祭だろ? そろそろやる事決めとかないけないって皆話し合ってたんだよ」


 赤星の言葉で初めて文化祭と言うモノを思い出した。まぁ、アレだ。何をやるにしても、俺が役に立てるのは裏方だけだ。何時もの通り裏方に回ることにしよう。目立つことは性分ではないし、不得意だからな。


「それでだな、高町。このままだと中々いい案が出てきそうにないんだ。う~ん、みんなやりたい事バラバラだからな。それで一応、お前にも意見聞いておこうと思ってな。どうだ、高町。何かないか? 何でもいいんだ」


 赤星は指を折りながらそう言った。どうやら今まで出た案を一つ一つ暗唱していたようだ。今みた限りでは少なくとも5つ以上の案が出ているみたいであるが、実際はもっと多いのかもしれない。
 さて、どうしたものか。赤星の頼みに少し思案してみる――しかし、発散するばかりで中々考えがまとまらない。
 それならばすでに出ている案を聞けば、少しは参考になるのではないか。そう思った俺は赤星に聞いてみることにした。


「そうだな、定番どころだけど、喫茶店、劇。それと今更だとは思うんだが、お化け屋敷だな。えっと後は、カラオケと――あぁ、居酒屋って意見もあったが、これは却下だな。とりあえずこんな所だな」


 赤星は少し苦笑しながらそう言った。そして俺から目を離し、教室の前の方に目を送った。


「おっと、そろそろ時間だな。じゃあ、高町。また後で聞かせてくれ」


 そして赤星は席に戻っていった。何とも慌しいことだ。
 まぁ、俺も何時までもこんな所に突っ立っている訳にもいかない。俺もそろそろ席に着こう。肩に背負った鞄を改めて背負い直す。そして自分の席に向かおうと視線を送ると、何時の間に来たのか、さっきまで姿の見えなかった月村と安田がいた。何かしゃべっているらしく、安田は前を見ないで体を横にして座っていた。
 少し何とも言えない気持ちになったが、気にせず席に向かうことにした――席に向かうと言う事は、必然的に彼らと顔を合わすという事に繋がるのであるが。

 俺の姿に気づいた二人は、それぞれ彼ららしい挨拶をしてきた。それに会釈で返すと、俺は席に着いた。二人もそれで納得したのか、会話を再開させたようだ。
 鞄を開け、中の物を一つ一つ机の中に入れていく。全てを入れ終わると、俺は鞄を閉めて机の横にかけた。
 二人の会話に参加でもしようとも思ったが、そろそろ授業開始の時間だ。今から割り込むこともないだろう、と思い目を閉じることにした。










 教室の中にチョークの音が鳴り響く。たまに聞こえる紙をめくる音は確かに受験生たちの教室を想像させる。
 そんな中、隣の二人はと言うと――隣に目だけを向けると、安田の顔を伏せた姿と肘をついて顎をのせる月村の姿が目に入った。相変わらずと言う事だ。まぁ、俺も授業など一向に聞いていない為、人の事をいえない立場ではあるのだが。

 ――暇だ。
 そんな不謹慎な事を考えていた俺は、どうやって暇つぶしをしようかと考えることにした。その方がおそらく健全であろう。

 まず最初に思いついたのは、落書きだ。俺は鞄から筆箱を出すと、中から愛用のシャーペンを取リ出した。
 そこで一つ気が付いた。昨日、俺には絵心の欠片も微塵もない、と言うことに。
 それに気づいた俺は落書きで暇をつぶすことを諦めた。

 次に思いついたのは、勉強に参加する事だ。俺は勉強に参加する為、机から教科書とノートを取り出すことにした。すると幾ら探してもノートが見つからない。
 そこで一つ気が付いた。そういえばここ1年ほどノートをとった記憶もなければ、ノートを購入した記憶もなかった。
 ――これは却下だ。

 最後に思いついたのが、先ほど赤星に頼まれた文化祭の出し物についての案だ。これは中々にいい案ではなかろうか。そう自画自賛した俺は真剣に出し物についての案を練ることにした。

 さて、何かいい案はない物か――そう考えてみても、中々簡単に思いつく代物ではなかった。どうやらすでに出ている案の中から検討するしかないようだ。

 まずは喫茶店。これは中々いい案ではなかろうか。あまり表に出るのは好きではないが、これならば何時もより何かの役には立てそうだ。他の俺にとって少し物騒な案よりは余程いいのではないか。決定だな。

 そこまで考えたところで一つ重要な事に気が付いた。
 ――今のでは数分も時間を潰せていないではないか。

 俺は、改めて自分の馬鹿さ加減にほとほとあきれ果てていた。










「高町、いい案考えてくれたか?」


 授業終了と同時に赤星が俺の席にやってきた。用件は言葉の通り先ほどの文化祭の案についてらしい。
 それに対して、先ほどの授業で考えていた事を赤星に伝えることにした。


「一応考えたが、俺の不器用な頭では新しい案を思いつくことはできなかった。しかし、一応意見は用意しておいた。さっきお前が言っていた既に出ている案の中から考えたんだが、喫茶店がいいんじゃないか? それならば、こんな俺でも手伝えることがあるしな」

「なるほど、確かにそうかもしれないな。よし、その意見を委員長に伝えておくよ」


 赤星は俺の返答を聞かず、俺の席から去っていった。
 ――俺なんかの意見でいいんだろうか。


「高町くん、今の何の話? 忍ちゃんの予想では文化祭のことなんだけど」


 何時の間に起きていたのか、月村がそう話しかけてきた。


「あぁ、そうだ。赤星に何かいい案はないか、と頼まれてな」

「でも、高町くんの不器用な頭じゃ、新しい案が思いつかなかったから、既に出てる案から選んだ、と」


 月村が少し口の端を吊り上げながらそう言った。何とも意地の悪い言い方であったが、その程度の事は気にならなかった。


「あぁ、そんなとこだ」

「ふーん、大変だねっと」


 俺の言葉にそう答えた月村は、椅子に持たれていた体を起こすとそのまま立ち上がった。


「どこへ行くんだ? 月村」

「高町くん。女の子にそんな事聞いちゃダメだよ」


 月村はそう言うと、そのまま教室を出て行った。
 ―― 一体どういうことだろうか。










 そうこうしている内に昼休みの時間が来た。
 さて、今日は何を食べようか、と考えていると、安田が席を立った。今日食べるモノを決めたのであろうか。
 その事を聞いてみることにした。


「安田。今日は何を食べるんだ?」

「ん? あぁ、今日はパンのつもりやけど」

「そうか、じゃあ俺もパンにしようか」


 そう言うと、安田は少し申し訳なさそうな顔をした。


「それはええねんけど、すまんなぁ。今日はちょっと行くとこあんねん。せやから一緒に飯食われへんけど、ええか?」

「あぁ、そうなのか。それは構わんが、どこへ行くつもりなんだ?」

「あぁ、ちょっと晶に用事あってな。何の用事かわからへんけど、呼び出されてん」


 そういうと安田は鞄から財布を取り出した。


「そうか、なら仕方ないな」

「悪いな。ほな、また今度な」


 財布をポケットにねじ込み、そう言うとそのまま出口に向かって走り出した。途中で2,3回ぶつかりそうになっていたが、その度に両手を合わせて謝る仕草をしていた。少し急ぎすぎだろう、とも思ったが、早く行けと言ったのは自分だな、と思いなおした。

 さて、と。俺も飯を調達してくるか――そう思った俺は、財布の中身を確かめ購買に向かうことにした。
 教室を出たところで月村を起こすのを忘れてた事を思い出したが、パンを買ってきてやればよかろう、と思い、そのまま購買に向かうことにした。









 俺は何時も後になってから後悔している。この時もそうだ。月村のことを忘れずに起こしてさえいれば、思い出したところで教室に引き返してさえいれば。
 この後、想像もしていなかった第3の事件――俺の安田への確信を強めた事件――が起こった。それが後に、俺にとって一生の恥になりかねない事件に繋がっていく事になる。

 ――こんなことを自ら語っている辺り、本当は恥ではなかったと思ってたのかもしれないが。いや、思っていたいのかもしれないが。











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――あとがき――
 第9話、いかがでしたでしょうか?

 何時もよりかなり遅くなってしまいましたね。少しレポートやらプレゼンやらで書く時間がなかった物で。

 少しずつミステリらしくなってる気はしますが、相変わらず駄文ですね。(苦笑)
 まぁ、次はオリジナル小説の第2話ですね。プロットはできているので、さっさと書き上げなければ。
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  1. 2005/05/27(金) 01:16:14|
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霧城昂

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