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She led to wide-scale bloodshed -第1部- 第3話

 暗闇の中、何かの気配を感じとれた。
 うっすらと差し込む月の明かりから、ここが室内であることを理解できた。そして定期的に聞こえてくる鉄を打ち合うような音。時折聞こえる男の声からは、何か必死さを感じとることができた。
 どうやら二人の人間が剣の打ち合いをしているらしい。そして男の声から察するに、これはただの訓練ではなく、真剣勝負――言い換えるならば殺し合い――と言う事を理解させるに十分だった。

 この戦いは素人目から見ても、達人同士の戦いであることがわかった。それ程高度な戦いだったのだ。
 男の振り下ろす刃、返す刃、突く刃はどれも相手の致命傷を狙ったモノであることは明白であり、対して相手の方はというと、男の攻撃を全て苦も無く流している辺り、相当な使い手である事がわかる。その手にある得物は、男の持つ長剣よりも細く長いレイピアと呼ばれるような代物だった。


 ――男の刃が短く横になぎ払われる。
 相手はそれをなぎ払われた方向へといなす。

 ――男の刃が返す刃で左に切り上げる。
 相手は軽々とバックステップでそれを避けた。


 そんな攻防が四半刻程続いた頃だった。男が段々と少しずつではあるが、壁際へ追いやられている。光でうっすらと照らされた顔には、かなりの量の汗を確認することができた。
 男は冷静に相手の隙を作り出そうと左右に刃を走らせる。しかし、相手はそれを軽々といなすと、お返しにと男に向かって刃を走らせた。


「ちぃっ!!」


 男はその刃を瞬時に判断すると、紙一重でそれを避けた。紙一重と聴くと聞こえはいいが、紙一重で避ける以外方法がなかった。つまり、少しでも判断が遅れれば男はその刃の前に倒れ伏していただろう。それはそれ程の、今の攻撃で勝負が決まってもおかしくない、天賦の才ではなく、ただ愚直に修練を積み、その上で放つことができる。そんな一撃だった。そんな一撃を回避できた男もまた達人と呼べる存在なのであろう。
 そんな男の苦労もむなしく、ついには壁際まで追いやられてしまった。流れは男の方にはなかったのだ。
 しかし男は慌てることなく、体を崩さず袈裟に刃を走らせた。袈裟に振り下ろされた刃は相手に当たることはなく、そのまま空を切っていった。その事実に男は冷静に対処した。返す刃で右切上げを狙ったのだ。
 だが、それは間に合わなかった。圧倒的に遅すぎたのだ。相手よりも遅く振り上げられた刃が、最短で突き進んでくるレイピアに追いつく事ができる訳がなかった。それはとても避けられるモノではなく完璧な一撃だった。
 そして、その一撃は吸い込まれるように男の胸に入り込んだ。男は絶命したのだ。

 その時、月明かりが相手の顔を映し出した。それは妖艶なまでに美しい顔で、金色の透き通った髪はなおそれを際立たせていた。
 男から剣を抜く。そのまま男はうつぶせに崩れ落ちた。
 その時に飛び散った血が彼女の顔まで届いていた。女は血を拭わず、うつぶせに倒れ伏せた男を見つめている。無表情で見つめる目が、とても恐ろしく感じられた。
 しばらくそうしていただろうか、視線を男から外し、剣を収め、踵を返して暗闇の中へ消えていった。

 後に残されたのは男とその男の長剣だけだった。その剣はあれほどの打ち合いにも関わらず、刃こぼれの一つもしていない、まさに名剣だった。
 その刃は暗闇でも曇ることのなく、ただただ綺麗と表現するにふさわしい物――そして、その鍔にはザール帝国の紋章が刻まれていたのだった。










She led to wide-scale bloodshed -第一部- 第3話










 その日、城内は何時もより活気付いていた。その理由は帝国近衛騎士団「リング12」のメンバーの一人、ブルース=F=リンドバーグ卿が何者かに暗殺された、と言ったものだった。
 それはザール帝国にとって驚愕すべき事件だった。あの「リング12」の一人がおそらく1対1で負け、殺されたのだから。
 確かにリンドバーグ卿は「リング12」の中ではそれ程際立った活躍をした男ではなかった。彼の指揮した部隊が特別活躍した訳でもなかった。だからと言って、彼の実力が他のメンバーと比べて弱かったから暗殺者に敗北したのだ、と判断するにはまだ早い。
 彼の能力値――剣術クラスC(レベル42)、炎術クラスD(レベル36)――は決して他のメンバーと引けを取ることはなかった。
 つまりはそういう事だ。彼程の実力者でも勝てぬ相手だった、こういう事になるだろう。だから場内はこの事実に驚愕を覚えていたのだ。

 その日、この物語の主人公レイは魔術師たちの集まるザール城地下の魔術研究所にいた。何故なら、ここが彼女の職場であるからだ。
 そこでは色んなジャンルの魔術師が日々魔術に関して研究を続けている。この国は他国と比べてあまり魔術の盛んな国ではないものの、これまで幾つかの魔術を開発してきた。それらは全てこの研究所の一番奥の書架に全て収められている。
 レイは丁度その書架で過去の書物を紐解いていた。
 彼女はそこで他の魔術師たちには読めなかった、神代の頃に書かれた魔道書を手に取っていた。そして彼女はその内容に釘付けになっていた。どうやら彼女には神代文字がスラスラと読むことができるようだ。
 そんな時だった。彼女が城内の異変に気づいたのは。

 書架の外から声が聞こえてきた。この書架に届く程の声で話すことは中々ないはず、そんな事を思ったレイは後ろを少し振り返った。
 何時もならそんな声も無視して自分の好きなことを常に先行するレイであったが、今回は何故かその声がとても気になった。
 それはまさに虫の知らせだったのかもしれない。だが、その時のレイは知る由もなかった。

 本を棚に戻し、レイは未だ聞こえてくる声の方に向かった。進むにつれその声が段々大きくなっていった。
 時折聞こえてくる、死んだ、殺された等の言葉が気になったレイは少し足を速めることにした。
 そうして、書架の外に出ると、レイより若い水の魔術師たちが何やら大きな声で各々真剣な顔で話し合っている姿が見て取れた。


「だからさ、その可能性もあるじゃない」

「いきなりそれはないだろ。着任してすぐにこんな事件起こすなんて、ただの馬鹿じゃないか」


 彼らの話が気になった彼女は、それを知る為彼らの方に近づいていった。
 すると、その中の一人がレイの存在に気づき会釈を返してきた。その為、話をしていた魔術師たちも話を止め、レイの方を向いて挨拶をしてきた。


「君達、今何の話をしていた? 私にも聞かせてくれないか」


 彼らの挨拶を無視し、本題からいきなりぶつけるレイ。若き魔術師達は挨拶を返してくれなかった事に少し戸惑ったが、小さい声でお互い相談をした後、渋々話の内容を話すことにした。


「聴いた話なのですが、昨夜リンドバーグ卿が殺されたらしいです」


 その言葉に握りこんだ手を口元に持っていき、少し思案するレイ。そして何か思いついたのか、すぐに顔を上げた。


「なるほど。では、そのリンドバーグ卿という者は何者なのだ? そんなに殺されてはまずい人間なのか?」


 レイの言葉に若き魔術師たちは皆呆然とした。どうやら何かを思いついた訳ではなく、リンドバーグ卿という人物について思い出していただけだったのだ。
 魔術師たちは少し調子を崩されたようだが、いち早く正気に戻った一人がレイにリンドバーグ卿のことを説明した。
 「リング12」に所属している、殺されるという事はどういう事か、等を簡潔にわかりやすくレイに一つずつ教えた。


「なるほど、よくわかった。皆がそれ程に騒ぐ訳が、な」


 そう言うと、レイは踵を返し書架の方へと向かって行った。魔術師たちはレイがどこに行くのか理解できなかった。だから、彼らはレイに尋ねてみることにした。


「レイ様。どちらに行かれるのですか?」


 その言葉に立ち止まるレイ。そしてゆっくりと彼らの方を振り返ると、書架に決まっているだろう、私は忙しいのだ、とにべも無く返してきた。
 そして彼女はそのまま扉を開き、書架の中へと体を滑り込ませていった。
 後に残された魔術師たちは、ただただ呆然とするばかりだった。












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――あとがき――
 第3話いかがでしたでしょうか。
 第一部は少し足早気味に行こうと思います。

 少し世界観がつかみづらいかもしれませんが、その辺りは出来るだけ何とかしようと思ってます。

 では、次は第4話でお会いしましょう。
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  1. 2005/06/06(月) 01:31:45|
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霧城昂

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