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She led to wide-scale bloodshed. -第1部 第5話-

 騎士ブルース=F=リンドバーグ卿が殺害されてから一週間が経った。
 今では城内の話題にリンドバーグ卿の件が持ち上がるのも少なくなってきた。人の関心はとても移ろいやすいものだ、と言う例にぴったり当てはまる事であろう。

 では、今どのような話題が持ち上がっているのか、と言うと、それは隣国ウィナー帝国との政治情勢についてだ。今、ザール帝国はルクレツィアでの折にウィナー帝国相手に勝利を収めた。そして、ウィナー帝国からの申し出により停戦協定が結ばれた。
 ここまでは以前話した通りだ。
 さて、ここでだ。一つこの世界の歴史を語らせて頂こう。それはこの先、話を進めていく上でとても大切な事だ。君たちに知っていて貰いたいことなのだ。
 ――では、準備はいいね。始めるよ。






 私がこの世界に生をなしてから数万、いや数億の時が流れていった。
 その際、この世界には様々な人種が生まれ、様々な国が生まれてきた。そして、ほとんどの人種や国は繁栄を待たずに滅びていった。
 だが、そんな中でも幾つか繁栄を極めた国々があった。

 古くは約1000万年前、人類がまだ科学に目覚める事の無く、今では伝説と呼ばれる英雄たちが世界を闊歩していた神話の時代。
 この話の時代では丁度ザール帝国のあった場所に、アヴァロンと言う国があった。
 アーサー王の伝説と言えばもはや語るまでもない程に有名だ。
 そしてこの国は歴史上最大の栄華を極めた国である、と言う事も付け加えておこう。だがしかし、彼らの歴史は衰退する時はあっさり衰退し、そして消えていった。
 私が生きるこの時代でも、何故彼らが滅びたのか、詳しいことはまだわかっていない。
 無論、数々の時代を見てきた私はそれを記憶している。だから話すことも出来るのだが、ここではまたの機会としておこう。この話とはまるで関係のないモノだからだ。

 そして約100万年前、この時代はまさに地獄と表現するに最も相応しい時代だった。
 世界が氷で包まれたからだ。
 この時代、人の身では耐えられない程の環境に、数々の種族、国が滅びていった。
 だが、こんな時代でも繁栄を極めた国があった。
 その国の名前はフルブライト王国。長い時を過ごしてきた私が、最も賢王と褒め称え尊敬のできた国王の居た国だ。
 この時代まで、ほとんどの国の国王は民に圧制を強いてきた。その結果、内側から瓦解した国も少なくはない。だが、この国は違ったのだ。
 国王は民に圧制を強いることはなく、それでいて国の治安が悪いと言うことでもない。そこでは民により法律が決められ、民が積極的に政治に参加する、といった様に民主主義を大義に掲げ、数百年を生きた国だった。
 だが、氷河期と言うこの時代、フルブライト王国の繁栄を妬む国は少なくなかった。
 この国の最後は、隣国全てに攻め込まれ制圧された、と言ったものだった。何ともあれは悲しい出来事だった。いずれ話す機会もあろう。

 そしてこの後、氷河期のせいかしばらく繁栄した国は現れなかった。大地を覆う氷は何時になっても融けず、次第に世界の人口は減少していった。そしてフルブライト王国が滅亡して約数百年後、ついには唯一残っていた国も滅び、残されたモノは各地にひっそりと暮らす村だけだった。そして、その中の一つにザールと言う村があった。そう、それが現在のザール帝国だ。

 そのザール村は少数ながらも神代の英雄に負けず劣らぬ才能を持ったモノたちの集まりだった。その数、わずか22人で構成された村であるものの、滅びを迎える事はなかった。
 そして、その時代を境にあれだけ繰り返されていた氷河期という言葉が文献に姿を見せる事はなかった。
 この時代に何があったのか、それは帝国図書館および魔術研究所の書物を紐といてみても、丁度その時代の前後数百年だけぽっかりと空白の期間があり、そこには何も記されていなかった。ただ、その時代より数百年後の文献には氷河期を想像させるような言葉が何も記されていなかった為、そうではないかと言われている。

 それからザールは着々と繁栄を続け、ついにはザール王国を建国するまでに至った。
 そして、現代より約千年前、初代皇帝エリック=ブルーシール=ザール一世の名の下に、かつてアヴァロン王国のあったとされた地、フォレスト大陸南東部にザール帝国が誕生した。

 アヴァロン王国があった時代には世界には巨大な大陸が一つあるだけだった。そして数百万年に渡る歴史の中、この世界は地殻変動を幾度となく繰り返し、ザール帝国の誕生した頃にはその巨大な大陸はすでに現代と同じ五つの大陸に分かれていた。

 そして、ザール帝国のあるフォレスト大陸であるが、この大陸は五つある大陸の内最も広い面積を持ち、世界の北西部に位置する大陸だ。
 そして、ザール帝国はこの時代すでに他の国の大きさの約三十倍もの国土を擁していた。
 一つの村から誕生したこの国は、歴史に残る程の繁栄を遂げたのである。

 だがその繁栄にも一つの陰りが見えた。
 今よりわずか十年前。ザール帝国の最西部に当たる地域が突如国に対して反旗を翻した。
 反乱軍は少数ながらも、とても強かった。地方を守る兵士たちでは歯が立たず、少しずつその領土は拡大していき、ついには当時のザール帝国の領土の四分の一を奪うまでに拡大していった。
 その国こそが、つい最近までザール帝国と戦争をしていたウィナー帝国である。
 この国についてはいずれ話す機会もあろうが、今この時点で知って貰いたい事は、ザール帝国にも、ウィナー帝国にもそれぞれの正義がある、と言う事だ。
 長々と歴史を語った上での最後の締めくくりがなんて陳腐なのか、と思う方もいらっしゃるだろう。だが、それだけは覚えていただきたい。
 例え、自らの利益の為に他国を侵略しても、何かを略奪したとしても、それは悪と呼べるものではない、という事だ。

 もし、悪があるとすれば、それに当てはまるのはおそらく私達なのだから――











 She led to wide-scale bloodshed. -第1部 第5話-












 ザール帝国謁見の間。
 ここに皇帝陛下を初めとする国の中枢を担う者たちが一同に集められていた。
 事務官、宮廷魔術師、近衛騎士、とそうそうたる顔ぶれだった。勿論、そこにレイの姿もあった。
 いつもと変わらぬ黒衣に身を包み、腕組みをしながら柱に身を任せていた。誰もが第一声を待つ中、彼女だけは我関せずと言った顔で虚空を見つめていた。

 そんな沈黙に耐え切れなかったのか、団長は一歩前に足を進め、陛下の方へと向き直った。


「陛下、今日はどのような用件で我々を呼び出されたのか、それをきっちりお答えいただけませぬか?」


 団長のその言葉に、陛下はその顎に青々と茂る髭を片手で触りながら、少し唸った。
 国王自身がそれを言う事を躊躇っているのだろうか。
 そこに集まった幾人かの人の顔に一抹の不安が浮かんでいた。

 そうして、しばらく陛下は思案した顔を皆に見せると、やがてその重い口を静かに開いた。


「この間の事件。あの事件にはウィナー帝国が絡んでいる。準備が済み次第、騎士団は全軍を持って進軍せよ」


 その言葉に部屋中に衝撃が走った。人々は互いを見つめ、そしてざわめき始めた。
 陛下の言葉に驚いた者、笑みを浮かべた者、とそれぞれ様々な反応があった。そんな中、最初に陛下に反論を返したのは騎士ブルーだった。


「陛下! 確たる証拠もない以上、この進撃は騎士団の誇りに背く事。その命令に従うことはできません!」


 陛下の顔を真っ向から睨み、ブルーはそう言った。その言葉に、部屋内は静まり返った。そして、その言葉を受けた陛下は、言い返す事もなくブルーを見つめるだけだった。
 しばらくその睨みあいは続いていた。
 それを見かねたニックは壁に預けていた背を起こすと、ブルーの方に向かっていった。そして、それに気づかないブルーの襟元を後ろから引っ張り、自身の顔のすぐ近くまでブルーを引き寄せたのだった。


「てめぇ、陛下の命令に逆らう気か!? 誇りだと? つまらん事言ってんじゃねぇ! 何より大切なのは上からの命令に従う事だ。それを覆しちゃ、何がなんだかわかんねぇだろうが!!」


 陛下の御前でありながら、場所を考えずそう怒鳴り散らすニックに周囲は様々な反応を示した。だが、当の陛下はそのような事に何も思わないのか、ニックとブルーのいざこざを見て、薄く笑みを浮かべていた。


「貴方には、帝国近衛騎士団に名を連ねる者としてのプライドは無いのか!! それがあるはずなら、先の陛下のお言葉に対して何らかの意を唱えるはずだ!」


 負けずと言い返すブルー。


「あるさ。確かに帝国近衛騎士団と言う立場に俺は誇りを感じちゃいる。だがな、てめぇのようなチンケなプライドじゃねぇ! 俺の誇りはこの力だ! この力使わずして何の為の騎士団か! 何の為の俺か!!」


 二人の言い争いは何時もどおり、段々とヒートアップしていった。それを見かねた団長は二人を押さえようとして、二人に近づいていった。
 だが、団長の前を悠々と横切る姿があった。それに気づいた団長は驚いて、その姿に眼を奪われた。レイだった。
 レイはそのまま陛下の近くまで歩くと、陛下の前で立ち止まり、頭を垂れた。


「では、私めの役目は如何様なものか」


 静かにそう紡ぎだされた声には、皆が、言い争いをしていたニックやブルーでさえ静かにさせるだけの力があった。


「逆に問おう。貴公の力なくしてこの戦、勝てると思うか?」

「戦には勝てるでしょう。だが、大将首を取れるか、と言われれば別の問題でしょう」

「ならば貴公に任務を与える。貴公はその身一つで戦場へと赴き、そして大将首を取れ。できるな?」


 その会話に皆は様々な疑問を持っただろう。だが、ただの一人としてその疑問を口にすることはなかった。


「――仰せのままに」


 レイはそう答えると、立ち上がり、踵を返して謁見の間から出て行った。
 後に残された人々は、しばらくそのままの状態で呆然としているのだった。












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――あとがき――
 第5話いかがでしたでしょうか?
 そろそろ第一部も一番盛り上がる場所に近づいてきました。
 はてさて、これからどうなるのか、ぜひ第6話までお楽しみに。
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  1. 2005/06/22(水) 01:54:35|
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霧城昂

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