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手のひらの中の奇跡 -リスティ視点 第一話-

 ―4月7日―

 リスティ視点 第一話










 ドタバタと誰かが廊下を駆ける音が聞こえる。
 ボクことリスティ槙原は、その余りの騒がしさにゆっくりと目を開いた。ぼんやりとした風景の中をゆっくりと見渡し、愛用の目覚まし時計を探す。
 探し終えた頃には、ぼんやりとした風景もすっかり元通りになっており、その愛用の時計は私に衝撃的な事実を教えてくれていた。


 ――これは、遅刻じゃないか……


 その時計は、朝の九時を示していた。普通の会社ならすでに営業が始まっていてもおかしくない時間だった。

 ちなみにボクの仕事は、一言で表すのは難しい職種なんだが、言い表すとすれば警察への民間協力者だ。警察というよりも、刑事と言う方がしっくりくるかもしれない。だから、ボクの立場的に時間にはルーズな仕事なのだが、今日に限ってそれは違ってくる。
 何故かというと、今日はお偉いさんとの約束があったのだ。
 何やらそのお偉いさんはボクに何か頼みたい仕事があるらしく、電話越しではとても言えないような事なので明日九時に直接口頭でボクに伝えたい、と昨日の電話で約束してしまったのだった。

 とりあえず顔でも洗ってこようとノブに手をかけた時、下げた視線にはだけた胸元が映っていた。同い年の子たちと比べておそらく豊満な部類に入るだろうそれは少しボクの自慢だった。
 確かにこの寮には約一名を除いて女ばかりの所帯であるが、ボクも年頃の女の子だ。はじらいというモノも当然存在する。なので、真雪と同じような格好で人前に出るのは少しはばかれた。

 無事最低限の身だしなみを整え、部屋を出て取りあえずキッチンに向かう事にする。目覚まし代わりの熱いコーヒーが飲みたかったのだ。
 そうして部屋を出た時、玄関に見慣れた後姿を見つける事ができた。それは少し慌てながら靴を履いている最中だった。


「あれ? 那美は今日から学校だっけ?」

「あ、はい、そうです。今日は始業式ですよ」


 ボクの言葉に慌てて振り返る那美。よくよく考えると今は午前九時、十分は前に出ておかないとやばいのではないだろうか。この事でからかってやろうとも思ったが、それが原因で遅刻させても可哀相だ。そのまま行かせてやろう。


「まぁ、なるべく気をつけて急いで行けよ」

「はい、それじゃ行ってきま―――きゃあ!」


 そう言いながら那美は派手に転んだ。本当にこの子は大丈夫なのか、と思いつつも何時もの事なので助けもせず、そのままキッチンに入っていった。

 キッチンでは、もう皆出発したらしく、耕介だけが洗い物をしている所だった。


「お、リスティおはよう。もう朝ごはん終わったけど、何か作ろうか?」

「あー、パンと熱いコーヒーをお願い。どうにも眠くって」


 椅子に腰かけると、先ほど身だしなみを整える時に一緒に持ってきたタバコと愛用のジッポを取り出した。タバコを口にくわえ、ジッポは何時も通りボクの心を癒してくれるかのような音を立て、タバコに火をつけてくれた。
 紫煙はボクの体中を巡る。その紫煙が通り過ぎる度にボクの体の一つ一つが覚醒していくような感じがする。どうにもボクはこれがないと生きていけないようだ。これも真雪の影響なのだろうか。


「リスティ、そろそろタバコ止めた方がいいんじゃないか? お肌にも響くだろう」

「耕介。それはセクハラと言うモノだよ。まぁ、忠告については感謝しておくけどね」


 ボクの言葉に渋い顔をする耕介。それと同時にパンが焼きあがった音が部屋中に響き渡った。


「はい、リスティ。そういえば、今日の仕事はどうなんだ?」

「Thanks。そうだね、朝の九時からお偉いさんとの約束があってね。それでちょっと頭をかかえている訳だよ」

「朝の九時って、もう過ぎてるじゃないか! そんなにゆっくりしてる場合じゃないだろう」

「ん……寝過ごしたものは仕方ないじゃないか。なるようになるよ、多分」


 ボクの言葉に耕介は少しあきれたような顔をする。気持ちはわからないでもないけど、仕方ないと思う。


 ――そういえば、大事な話らしいけど、何だろう。


 何の話で呼び出されたのか、を考えながらボクは焼きたてのパンを一口かじった。










 海鳴警察署の前まで来た。そこで少し立ち止まることにする。何故なら遅刻した理由を考えなければならないからだ。


 ――さて、どうしようか。


 数分ほどそれについて考えてみたが、中々いい案が思いつかない。そうしている内にだんだん面倒臭くなって、素直に寝坊でいいじゃないか、と結論づけてしまった。

 そうして、お偉いさんのいる部屋の前まで来てしまった。なるようになるだろう、そう思いボクはその運命の扉を開けてしまった。


「リスティ槙原、入ります」

「ん? ようやく来たか、この不良娘め」

「いやいや、ちょっと寝坊しちゃって、ハハ」


 ボクが二時間も遅刻して来た事に、彼は全く表情を変えていなかった。
 彼の名前は越野鉄平、公安三課のテロリスト対策本部の本部長を務める人物だ。そんなお偉いさんでありながら年齢は確か三十二歳。いわゆるエリートと言うヤツだろう。
 エリートという事で頭でっかちな人物を思い浮かべる人もいるだろう。だが、彼は違った。ボクの記憶が確かならば柔剣道合わせて十二段の猛者のはずだ。それは彼の体格を見てもわかると思う。百九十を超える身長とがっしりとした肩幅はどうにも強そうな感じがする。


「で、ボクに頼みたい事ってなんだい? 何か事件でも?」

「うむ、一見何の変哲もない事件に見えるんだが、どうも君に頼まねばならないような事件に思えるんだ」


 ボクのため口にも一向に気にした様子もなく、片手でメガネの位置を調整しながら彼は言う。


「その根拠は?」

「俺のカン、というのでは駄目かな?」


 いかつい顔に似合わないような人懐こい笑みを浮かべながら、そんなとんでもない事を言い放つ。まぁ、何時もの事なので気にしないことにしておこう。


「まぁ、いいさ。で? 肝心の内容の方を教えてくれるかい?」

「昨日の午後八時頃、三丁目付近で誘拐未遂事件があった。事件にあったのは風芽丘学園に通う二年生の女生徒だ。何でも何時ものように部活から帰る途中に突然襲われたらしい。未遂だったのは、その時かけつけた風芽丘学園の生徒会長を務める男が助けてくれた、との事だ。何か質問は?」


 頭の中で事件を整理する。ようはただの誘拐未遂事件だ。理由はおそらく金目当てか本人か。むしろ気になるのはその生徒会長だな。どんな好青年か見てみたい気もする。だが、そんな事よりまず頭に思い浮かんだ疑問の答えが知りたくなった。


「大体の内容はわかったが、なんでこの事件が公安に送られてきてるんだ? しかも、お前みたいなテロ屋対策本部長の所に」

「それはだな、こいつが理由だ」


 彼は自分の机の引き出しを開けると、何か取り出してそれを机の上に置いた。それはビニールに包まれた白い粉だった。それが何かわかったボクは少し吐き気をもよおしたが、ぐっとそれをこらえる事にした。


「――麻薬か」


 肯定とも否定とも取れる曖昧な反応を示してから、彼は言葉を続けた。


「これが昨晩の現場に落ちていたらしい。見つけたのは襲われた女生徒だ」


 ビニールに包まれたそれを手に取る。麻薬の専門家でないボクは近くでよく見てみてもその種類はわからなかった。


「なるほど、確かにこれは公安――いや、ボクの仕事のようだね」

「だろう?」


 嬉々とした顔で言う。
 彼という人物は嫌いではなかったが、こういう話の時にそういう笑顔をされると自分の認識が間違いではないか、と思ってしまう。


「その薬物の効能については今検査中だ。帰りにでも鑑識に顔を出すといい。何か新しい情報があるかもしれん」

「わかったよ。それでボクは何時も通り勝手にやらせてもらっていいんだな?」

「その為にお前を呼んだと言う事だ」

「Thanks」


 その後、鑑識科に行ってみたが特に新しい情報は無かった為、署内でこれ以上やる事も無い為、長居せず表に出ることにした。











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――あとがき――
 リスティ視点第一話、いかがでしたでしょうか。
 最初は違う所から二人は出発しますが、最終的に目指すところは同じ、と言う話を書けたらな、と思いこんな作品を書いてみました。

 では、次は恭也視点第二話で会いましょう。
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  1. 2005/08/17(水) 13:30:17|
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霧城昂

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