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手のひらの中の奇跡 -恭也視点 第二話-

 ―4月11日―

 恭也視点 第二話










 思わぬ事で担任不在となったこのクラスも今日で二日目。昨日はホームルームが無いという事以外は今までとなんら変わらぬ授業だった。ただ、授業開始前に各教科の先生から一言二言沢田先生についての情報を聞かされただけだ。
 その内容とは、昨日の朝に赤星に聞かされた情報となんら変わらぬモノだった。おそらくそれ以上の情報はまだ学校側も理解していないのだろう。
 顔も覚えていない教師のことであるが、少し心配になる。俺が言うのもお門違いかもしれないが、早く良くなって欲しい。

 そして今朝も同じように赤星から沢田先生の容態ついて聞かされる事となるのだが、これがまた思わぬ方向に話が進んでしまっていた。


「―――何? 沢田先生の他にも意識不明者が出ただと?」

「あぁ、俺もさっき聞かされたばかりなんだが、お前と同じように本当に驚いたよ」


 赤星が何時もよりも落ち着きのない声で言う。さっきという事は、これは最新の情報なのだろう。


「名前までは教えてくれなかったが、何でもサッカー部の二年のヤツが更衣室で倒れているところを今朝発見されたらしい。見つけたのは同じサッカー部のマネージャーらしいぞ」

「それはもしかして沢田先生と同じ容態なのか? 同じように何時目を覚ますかわからない状態なのか?」


 俺の疑問に赤星はゆっくりとうなずく。それを見た時、俺は何か不穏な空気が風芽丘に流れているのを感じた。


「これは当然の疑問だと思うんだが、二人も同じような原因不明の病気にかかるなんておかしいと思わないか?」

「やっぱり高町もそう思ったか。俺に教えてくれたヤツも同じような事を言ってたよ。俺だってそう思うしな」


 やはりこれは異常だ。こんな偶然は二度続くような事じゃない。と言うことは、これは偶然ではないのではないのか、そんなことを思ってしまう。と言うことは、誰かが故意にそういう事を起こしている、と言う事になる。これこそ考えすぎなのではないだろうか。


「こんな事を言っては怒られるのだろうが、新年度早々縁起が悪いな」

「―――まったくだ」


 時計を確かめるとそろそろ一時間目が始まるようなので、俺は一言赤星に挨拶してから自分の席に戻ることにした。俺の席は昨日の席決めで決まった窓際二列目の一番後ろの席だった。中々に教師に気づかれにくいベストポジションと言える場所だろう。ちなみに左隣の席は昨日知り合った月村だった。
 月村は俺が赤星と別れた時には既に自分の席に座っていて、同じように隣に座った俺に挨拶をしてきた。当然俺はそれに挨拶を返すことにした。


「おはよう、高町くん」

「おはよう。今朝は昨日より早いんだな」

「うん、昨日は休み明けでちょっと寝不足でね、寝坊しちゃった」


 全く悪びれた様子も見せず月村がそう言う。すると一時間目の鐘が学校中に鳴り響き、皆が席に向かい始めた。
 一時間目は国語だ。それはいいとしても、二時間目の英語はどうなるのだろうか。やはり臨時講師が来るのだろうか。
 そんな事を思いながら俺はかばんの中の荷物を机の中に入れていた。










 それは一時間目が終わった後の休み時間の事だった。
 俺は自分の席で次の英語の時間はどんな教師がやってくるのだろう、と考えていた時赤星が話しかけてきた。
 どうやら赤星も俺と同じく、次の英語の臨時講師が気になっていたようだった。隣の席の月村は、と言うと全く気にならないらしく、国語の時間からずっと机に伏せて寝ている。俺が言うのもなんだが、本当に大丈夫なのだろうか。


「高町、いよいよ次は英語だな」

「あぁ、不謹慎ではあるが、どんな先生が来るのか楽しみだ」


 俺の言葉にお互いが頷きあう――そう、そんな時だった。俺の前に彼が姿を現したのは。


「赤星。ちょっといいか?」


 突然そんな声がした。
 声がした方に視線を向けてみると、どこかで見たことのあるような感じの男がそこにいた。身長は見た感じ俺と同じくらいだろうか。短く切られたその髪型はさわやかな印象を与えている。


「あぁ、佐藤か。うちのクラスまで来るなんて珍しいな」


 佐藤と呼ばれたその男は薄い笑みを浮かべてうなずいた。
 無愛想な俺と違い、赤星には沢山の友人がいる。彼もその内の一人なのだろう。両者の雰囲気が心を許している友人とのそれに合致している。


「で、わざわざここに来るくらいのニュースがあるのか?」

「あぁ、そうだ。ちょいとばかし重要なニュースがな――っと、今は大丈夫か? 彼と話しているみたいだったが」


 佐藤と呼ばれた男は俺の方に視線を向けながら言う。


「あぁ、こいつは友人の高町だ。中学の時からの付き合いだ」

「お、彼がそうなのか。よろしく。俺は佐藤秀二。一応俺も赤星の友人をやらせてもらっている」


 目の前の男――佐藤は赤星とはまた違う種類のさわやかな笑顔でそう自己紹介する。
 人は自分と違うモノを持っている人間に出会った時、人によって様々な種類があるものの、それらは全て憧れという言葉で説明できるはずだ。間違いなく俺は赤星と出会った時と同じ種類の憧れをその男に感じていた。
 俺もその言葉に感化されたのか、何時もより明るく紹介しようとしたが、結果は実らず。何時も通り無愛想な紹介になってしまった。


「で、だ。高町くんもそのまま聞いてくれて構わんが――また、例の病気が出たぞ」


 小さくつぶやいた彼の言葉で、俺たち三人の間の空気が一瞬で凍りついた。


「二人ともそんなに硬くなるな。今回は風校の生徒じゃない。だからお前たちの関係者じゃないはずだ」

「佐藤、それは生徒会長としてどうかと思うぞ」


 赤星の言う通りだ。
 我々の関係者ではないと言うだけで安心するのは俺もどうかと思う。


「そうだったな――許してくれ、二人とも」


 己の失言を本当に悔いているように生徒会長――どうりで見たことのある顔のはずだ――は顔をゆがませ、詫びを一つ入れた。


「で、佐藤どうなんだ? 風校じゃないって事は海中か?」

「あぁ、そうだ。今回は海中の生徒だ。場所は体育用具室で、倒れているのを発見された。どうやらその生徒は一時間目が体育だったらしく、何時も通り普通の体育の授業を受けていたそうだ。そして倒れたのはつい先程で、授業終了後に一人で後片付けしている時に倒れたようだ。戻るのが遅いから、とその生徒の友人が呼びにいったところで発見されたらしい。まぁ、俺も先程知らされたばかりなのでこれ以上詳しいことはわからない」


 これ以上詳しいことはわからない、と言うがこれ以上詳しい情報などないのではないか、と思えるほどに丁寧に佐藤は話してくれた。


「そうか……何にしても、一体何なんだろうな。立て続けに三件起こるってのはもう決定だろう。早いこと警察に知らせた方がいいんじゃないか?」


 赤星の当然の疑問に佐藤はゆっくりと頷いた。


「昨日言い忘れていたが、既に沢田先生が倒れられた時にごく個人的な判断であったが警察には報告してある。まぁ、一人だと事件性も低いと言う理由で断られたがな」


 それはそうだろう。
 それだけでは警察に追い返されても仕方がない。でも今は違う。三人も犠牲者が出たと言う事は、もうこれは確実に事件だと判断できるだろう。


「だから俺はもう一度学園長に掛け合ってみるつもりだ。もうこれは無視できないところまで来ているしな――そろそろ休み時間が終わるな。赤星、また何かわかったら知らせにくるよ。高町くんもまたな」


 そういうと佐藤は足早に教室から出て行った。赤星と俺はこの急な展開に別れの挨拶すらできずに、騒がしい教室の中で二人して呆然としていた。
 やがて休み時間の終了を知らせる鐘で意識を取り戻し、赤星は、また後でな、と言って自分の席に戻っていった。

 さて、突然の訪問ですっかり忘れていたが、次は例の英語の時間だ。
 先程の事件については、無関係だと無視できる程の物ではない。後で赤星と話し合う必要もあるだろう。だが、今考えても仕方の無い事であるのも確かだった。
 今、大切なことは次の時間の臨時講師のことだろう。
 周りを見渡すと、眠りこけているごく一名を除いて皆全て興味津々と言った顔で隣同士会話をするヤツもいれば、まだかまだかと教室の扉を見つめているヤツもいる。
 やはり皆考えることなど同じことなのだろうか。

 やがて廊下側のクラスメイトの、先生来たぞ、という言葉に反応して、約一名を除いて皆が教室の扉に注目することになった。当然、俺もその場所に視線を送っている。
 突然静まり返った教室に誰かが廊下をゆっくりと歩いている音が聞こえてくる。この音から察するに臨時講師とは女性なのだろうか。ヒールで床を鳴らすような音が聞こえてくる。
 そして扉の曇り硝子にうっすらとシルエットが浮かんだ瞬間、その扉は開かれた。
 その姿にクラスメイトたちは声を失った。そこには見るからに日本人ではない人が立っていた。それもとても美しい女性だった。
 俺や赤星はフィアッセという美人の外人女性を何時も見ている為、彼らのように呆然とすることはないにしろ、それでも驚いた。
 この位置からでも見てわかる絹のような銀色の髪、外人特有の瞳に人懐っこい顔は彼女の美しさの象徴ともいえるのではないだろうか。

 その彼女はこちらを見ながら、ゆっくりと教壇へと歩いている。そして教壇へとたどり着くと、持っていた荷物を置き、俺らの方へ完全に向き直った。


「私が今日から君たちの担任を務める、リスティ槙原です。とりあえず沢田先生が回復するまでの代理になると思いますが、よろしく」


 彼女の声は少しハスキーな声だった。その声に反応したように、クラスメイトたちは急に騒がしくなる。騒ぎたくなる気持ちもわかると言うものだ。
 だが、俺は騒ぐ気にはなれなかった。
 気持ちはわかるのにそんな気になれない、というのは後から考えてみるととてもおかしい心情だ。しかし、本当にそうだったのだから仕方が無い。
 これも後から考えたことなのだが、俺はあの時間違いなく彼女に見とれていたのだ。前の日に忍に見とれていたのにも関わらず、俺は彼女――リスティ槙原と名乗った女性に惹かれていた。
 これまでの短い人生の中でこんな気持ちになったことは一度も無かった。だからこそ、その時はわからなかったのだろう。
 今だから言える事がある。俺は彼女たちに同時に恋をしていたのだろう、と。












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――あとがき――

 恭也視点第二話いかがでしたでしょうか?
 恭也が恭也らしくない、と思われるかもしれませんが、私的には彼も若い男子学生なのだ、と言うことでこういう風に書いてみました。
 受け付けない方もいらっしゃるかもしれませんが、こればっかりは直すつもりがないので勘弁してください。

 前回の感想についてですが、誤字の指摘ありがとうございました。私が一番怖いのが誤字なもので、指摘してくださるととても助かります。

 では、次のSSでお会いしましょう。
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  1. 2005/08/25(木) 14:43:31|
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