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手のひらの中の奇跡 -恭也視点 第三話-

 ―4月11日―

 恭也視点 第三話










 昼休みを知らせる鐘が鳴り響く。辺りからは席を立つ音や、クラスメイトのうれしそうな話し声が聞こえてくる。
 それらを聞きながら、俺はゆっくりと体を起こすことにした。
 すでに先ほどの時間の教師の姿はなく――そもそも、今日は全く見ていないが――時計を見ると、まだ三分も過ぎていないのにクラスはもう昼休み気分だ。


 ――ま、俺もその内の一人だがな。


 そう少し苦笑しながら、俺は隣の席に目を向けた。
 そこには俺と同じように、四時間目を夢の中で過ごしていた月村の姿があった。
 彼女も丁度俺と同じように、あたりの喧騒で目を覚ました口のようだ。
 その姿に俺は内心うれしさを覚えながら、彼女に話しかけるのだった。


「月村、昼はどうする?」

「――ん? あぁ、高町くん。おはよう」


 目をゆっくり擦りながら彼女はそう言った。


「早くしないと、飯を食えなくなるぞ」

「あ、そだね。じゃあ、食堂行こっか」


 そう言うと、彼女は肩がこったのか、背伸びをし始める。
 背伸びびと同時にゆっくりともりあがる二つの胸。同年代と比べてかなり豊かな部類に入るだろうそれは、更に強調された。


 ――な、何を考えているんだ、俺は。


 クラスメイトで、尚且つ知り合ったばかりの友人に心の中で詫び、それを悟られないように席を立つことにした。
 月村も席を立ったことを確認すると、一つうなずいてから食堂へ向かうことにした。
 今から向かえば飯にはありつけるだろう。そんな事を月村と話しながら教室を出ようとした時、慌てた姿で見覚えのある人物がこちらに向かって走ってきた。
 俺は咄嗟に月村を抱きかかえ、その人物に当たらないように脇に避けた。
 その場所に彼女を下ろし、その人物の方に目を向けると、彼も何とか停止することができたようだ。そして、俺は必然的にその生徒会長に話しかけることにした。


「どうした?」

「あ、あれ? ぶつかると思って身構えたんだが……流石高町くんだな。それに彼女の様子を見るに……これは敵わないな」


 佐藤の言葉で隣に居る月村に目をやった。
 すると彼女は紅く染まった顔で、俺の顔を不思議そうに見ていた。


「顔が紅いが、大丈夫か?」

「え? あ、うん。大丈夫大丈夫。そだ、彼が高町くんに用事があるみたいだから、先に行って席取ってるね」


 そう一息で言うと、月村は慌てた様子で教室を出て行った。


「ん……悪いな、高町くん。タイミングが悪かったようだ」

「いや、月村の様子は心配だが……まぁ、大丈夫だろう」


 そう言うと、佐藤は一瞬驚いたような顔をすると、いきなり笑い出す。
 いきなり笑い出した理由がわからず、俺は彼に問いかけた。


「ハハ、うわさ通りの人物のようだ、君は。まぁ、君に用があったのは本当なので、俺的にはありがたい訳だが――実のところ、赤星にも用があったんだが、いないようだな」


 教室内を一通り見まわすと、佐藤はそう言った。


「――またなのか?」


 俺と佐藤の間に緊張が走る。
 俺は半分別の用件を期待していた。だが、佐藤の表情から本当にまた起こったのだ、と悟った。


「あぁ、今度は生徒でなく教師だ」

「誰だ?」

「海中の体育教師をやっている方で、女性だ――」

「女性の……体育教師」


 風芽丘の教師の顔すらロクに覚えていない俺が海中の教師の顔まで覚えているはずがなかった。
 おそらくは誰かがこの事件を引き起こしているのだろう。四度続けば、それは偶然ではない――必然なのだ。


 ――しかし、女性とはいえ体育教師までもが。


 この学校は海中も含め、スポーツの大変盛んな学校だ。
 つまりこの学校はクラブの数が大変多い。多いという事は、球技系を筆頭に武道系のクラブも少なからず多いと言う事になる。そして、体育教師は軒並み武道系のクラブの顧問に据えられる。
 つまり、今回被害にあった女性は、なんらかの武道をたしなんでいたはずなのだ。


「でだ。高町くんも気づいているかもしれないが――」


 佐藤はそこまで言葉を続けると、あたりを見回す。


「――これは病気じゃない。全員が全員原因不明の病気に侵されるなど、ありえない事だ。つまり……犯人がいるはずだ。これは事件だ」


 佐藤は、俺と同じことを考えていたのだ。


「そうだとしたら、これは許しがたい事件だ。俺は生徒会長として何とかする義務がある。教師たちは何を考えているのか、全く動き出そうとしない」

「――佐藤? どうするつもりだ?」

「一応、個人として警察に通報はした。だが、あの様子では動き出す可能性は極めて低い。後で赤星にも頼むつもりだが――お前も俺の手伝いをしてくれないか? これはあくまで俺の独断だ。強制することはできない」

「それは、俺たちでこの事件の捜査をする、ということだな」


 俺の言葉に佐藤はゆっくりとうなずく。


「まぁ、常に一緒に行動するという事じゃない。高町くんと赤星はいざと言う時に動けるようにしてくれればいいんだ。頭脳労働は俺の役目だ。これで問題ないかい?」


 彼の自信に満ちた笑み。生徒会長という立場と、それを裏付けるような彼の学年主席という成績。俺は断る理由を見つけることはできなかった。


「ありがとう。何かあったら、また俺の方から報告する。後、それとだな……」


 先ほどの言葉より、他に言いづらい事でもあるのだろうか。佐藤はそんなそぶりを見せた。


「何だ? 俺なんかで役に立つのなら何でも言ってくれ」

「あぁ、ありがとう。こんな時に聞くのもアレなんだけど、えっとだな……お前のクラスに臨時の先生が来たらしいけど、どんな人だった? お前の目から見て、美人か?」


 全く予想外の佐藤に言葉に俺は一瞬頭が真っ白になった。
 そして、この佐藤という男も立派な生徒会長をしているが、実は一人の若い学生なのだ。そんな事に改めて気づかされた。


「そうだな――」


 佐藤の言葉に答えるかのように、俺は今朝の出来事に意識を飛ばした。

 曇りガラスに映ったシルエット。そして次の瞬間開かれた扉には見慣れぬ美人が立っていた。
 特徴的な絹のような銀色の髪と、外人特有の目で人懐っこい顔。それらは一つ一つが際立っているものの、なおそれがマッチしている。つまり、それは美人であると言う証明そのものだった。
 そして、少しハスキーな美しい声。そのどれもが素敵で、誰もが魅了されてしまうだろう。


「あぁ……槙原先生は美人だ。間違いない」

「へぇ、お前が言うのなら相当かな。その槙原先生、おそらく午後のウチのクラスの英語をやるようだから、少し気になってたんだ」


 知り合って間もない相手だが、俺の返答に予想通りのうれしそうな顔をしていた。当然だ。美人が嫌いな若い男なんていやしない。


「あの先生の容姿は日本人離れしている。まぁ、リスティ槙原と名乗っていたので、おそらくは外国生まれなのだろうがな」

「へぇ……そりゃ楽しみだな」


 佐藤は満足そうにうなずいた。


 ――しかし、学校でこんな話をすることになるとは……夢にも思わなかったな。


 佐藤は笑顔を止め、突然真顔になった。
 それを見て、俺は少しまゆをひそめた。


「じゃ、さっきの話頼んだ。その時になったら期待してるぞ」

「あぁ、任された」

「じゃあ、俺はもういく。高町くんも急げよ。彼女が待ってるぞ」


 佐藤の言葉に俺は反射的に壁にかかっている時計を見上げた。
 月村と別れてからすでに十分以上経過していた。
 俺は佐藤に一言礼を言うと、身をひるがえして食堂に向かうことにした。
 全速力で。












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――あとがき――
 手のひらの中の奇跡 恭也編第三話、いかがでしたでしょうか。
 久しぶりの更新となりましたので、忘れられなければよいのですが。

 何故久しぶりになったかというと、レポートやら某所での記念SSの執筆で遅れちゃいました。お待ちになってた皆様、申し訳ないです。

 後、前回までの感想で誤字を指摘してくださった皆様。ありがとうございました。

 では、次のSSでお会いしましょう。
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  1. 2005/10/15(土) 01:10:54|
  2. とらいあんぐるハートSS|
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霧城昂

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