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Blue Moon 第4話

「それにしても、安田くんって、ほんっとにおもしろいね」


 にこやかにいい、月村はシュークリームを頬張った。
 先ほど、安田の昔のバイトの話を聞かされ本当に息ができなくなるくらい笑い続けていた月村であったが、フィアッセに注意された事もあってか、ようやく落ち着いて話せるようになったらしい。
 俺は笑うというよりも、その時は「よく次々とあのような面白い話ができるものだ」、と終始関心させられた。
 安田の3分の1程度の社交性がこの俺にあれば、このようなつまらない剣一筋な人間にならなかったのだろう、と。

 後に、この安田の社交性が災いして、ちょっとした騒動になってしまう。だが俺は安田の人柄が嫌いではなかったし、むしろ好きであった。だからこそ、少しでもあの時安田を疑ってしまった自分がとても腹立たしかった。
 あの時、自分だけでも信じてあげるべきであったのだ。そうすればあんな事も起こらなかったのだから。










Blue Moon 第4話










「まぁ、大阪人やしな。でも、これくらいは当たり前やで。ワシよりおもろい人間はなんぼでもおるし」

「ほんとにぃ?」


 月村が悪戯っぽい目をしながら問い返す。


「ほんまやでほんま。それにワシはどっちかっつうたら突っ込みやしな」

「へぇ、そうなんだ。じゃあじゃあ、漫才みたいな感じの?『なんでやねんっ!』みたいな?」


 月村が手の甲で俺の肩を叩きながらそう言った。
 しかし何で俺なんだ?


「せやなぁ~、そんなあからさまな突っ込みはあんま使わへんなぁ……手ぇ使わずに言う時はあるけどな」

「でも、手を使った方が突っ込みやすいって時もあるよね」


 再び月村が手の甲で俺の肩を叩いた。
 ――何か悪いことでもしたのだろうか。


「あぁ、当然手ぇ使う時もあるで。でもワシは大体手で頭叩く突っ込みやな。例えば……」


 安田が突然俺の頭を目掛けて右手を振り下ろした。突然ではあったが、何時もの美由希や晶の不意打ちに比べれば、軽く避けれる速度だ。
安田の手が当たる直前に少し頭をずらし、それを回避した。


「ありゃ?おっかしいのぉ。向こうじゃ、この突っ込み避けられたこと無かってんけどなぁ」


 不思議そうな顔をしながら、そう言った。月村を見ると、少し苦笑がちな顔でこちらを見ている。
 避けたのはもしかして早計だったか?


「高町くん、ダメだよ。突っ込みは避けないのが礼儀だよ」


 そういうものなのだろうか?
 少し理不尽なものを感じたが、ここでそれを主張しても益はないと思い、素直に謝ることにした。


「すまないな、つい体が反応してしまった」

「いやいや、全然かまへんで。むしろ避けられたのはワシの修行不足やしのぉ」


 うんうん、と安田が頷いた。
 何かを納得したのか、満足気な顔をしながらシュークリームを手にとった。


「ま、こっちに来てええ目標が一つでけた」

「へぇ?聞かなくても大体わかるけど、それは?」


 月村が手にマイクを持っているかのように、安田の口に近づけた。安田はその仕草に乗せられて、


「この安田稔は宣言します!当選した暁には、必ずこの高町に一度は突っ込みを入れてみせます!!」


 拳を握り締めながらそう安田が言った。その姿に月村が口笛を吹きながらエールを送っている。
 幾度も突っ込まれるのは全然構わないのだが、もう少し回りの目を気にしてくれないだろうか。
 そんなことを考えていると少し気分が悪くなってきたのは気のせいであるまい。


「ほな、高町さんちのシュークリームを頂くとしますか」


 そういいながら安田はシュークリームを頬張った。その瞬間、安田の目がカッと見開かれ、物凄い勢いで全部口の中に押し込んだ。
 そんな安田を見ていた月村は、自分のことのようにうれしそうな顔で安田に問いかけた。


「ね、言ってた通りでしょ?」

「あぁ……何や、言葉にできんくらいやのぉ……」


 半ば溜息をもらしながら、安田はそう呟くと、胸に手を置きうれしそうな顔で目を閉じた。まるで、その姿がどこかのドラマのワンシーンのようで、俺はしばらく安田を眺めていた。
 月村もまた、その姿に見とれているようだ。
 無理もない、男の俺から見てもその姿はとても……


「いやいやいや、フィアッセさんこれ凄いっすね!こんなん食べたの初めてです」

「Oh♪Thank you♪ミノル♪」


 机に掛けてたひじがずり落ちそうになった。なんというか感動した俺が馬鹿みたいだ。
 月村もそう感じているのか、少し赤い顔で苦笑している。


「ん?どないしたんやお前ら」

「はは……いや、気にするな」

「そうか?」


 不思議そうな顔でそう安田が答える。



 それからしばらく俺たちは安田の昔の話でしばらく盛り上がった。どこまでネタがあるのか、安田の話はとても面白く、話が止まる気配がなかった。特に、昔の恋の話になると、月村が凄い勢いで話に食いついていった。
 やはり、月村も女の子なのだな、と再認識される場面だった。

 また、話の途中何度か俺の頭を叩こうと安田が手を振り下ろしてきたが、すべて回避してきた。
 そんな感じで、話が盛り上がってた時に、突然月村が何かに気づいたような顔をし、俺に話しかけてきた。


「あれ、そういえば高町くん。甘いもの苦手とか言ってなかったっけ?」

「ん?そうだな。それがどうかしたか?」

「へぇ、やっぱそうなんか。雰囲気的に甘いもん好きやないなぁ、って思てたけど」


 安田が納得したかのように言った。それに対し、俺は頷いてみせた。
 その時、月村から衝撃的な言葉を身構える暇もなく、聞かされることになった。


「ちょっと狙ってたのになぁ、高町くんの分のシュークリーム。食べちゃうとは思わなかったよ」


 ――何?
 月村の言葉にはっとして、手元の皿を見てみた。
 するとそこにはシュークリームの影も形もなく、ただ残された生地の屑が散らばっているだけだった。


「――!?」


 呆然とする俺の姿を見て、月村が不思議そうな顔で声をかけてきた。


「何?どしたの、高町くん」

「い、いや……」



 何故だ?何故ここにあるべきはずのモノがない。俺はフィアッセが運んできてから一切手をつけていない。ならばここにシュークリームがなければいけないのだ。

 しかし、事実この場所にその姿はない。という事は、俺以外の誰かが手をつけたのか?
 それこそ否。
 それはつまり、この俺の目を盗んでシュークリームを手に取ったという事だ。
 そんなことは有り得ない。有り得ていいはずがない。
 だが、そう考えないとシュークリームがなくなった事に対して説明がつかないではないか。

 とすると誰がこれを実行したのか。この俺の目をかいくぐり、どんなつわものがこのシュークリームを手に取ったのか。
 この場にいる人間は、俺を除くと二人。月村と安田だ。

 まずは月村。
 彼女がこの俺の目をかいくぐり、シュークリームを手に取る――それはないだろう。二学期まで、わずか数ヶ月の付き合いではあるが月村のことはよくわかっている。
 美由希ですらこの俺の目を盗むことができないのだ。月村にできるはずがない。

 という事は安田か。
 それも否。
 安田の何度か見せたあの手の振り下ろし方では、この俺の死角を取ることは不可能と言っていいだろう。
 では、一体誰が……



「おーい、高町くん?聞いてる?」

「ん?あぁ、すまん。考え事をしていた」


 月村の言葉で正気に戻ると俺はそう答えた。


「それは見てればわかるよ。で、久々に食べたお母さんのシュークリームの味は?」

「食べていない」

「……え?」


 俺の返答が予想外のモノであったのか、月村が目を丸くしている。


「食べてない、と言ったのだ」

「食べてないって……あ!この忍ちゃんを疑ってるでしょ。それはレディに対して失礼だよ」


 確かにつまみ食いしたいくらいおいしいけどさ、と赤い顔で月村は呟いた。


「大丈夫だ。月村は始めから疑っていない」

「さっすが高町くん。わかってるね。でも、ということは?」


 月村が疑わしそうな目を安田に向ける。
 その視線を感じてあたりを見回してから俺に向き直ると、いきなり頭を下げた。


「すまん!この通りや」

「話が見えないのだが」


 そう答えると、安田は頭を下げながら話を続けた。


「いやな、あんまりおいしかったもんでな。お前に何度も突っ込もうとしとったやろ?
そん時に隙見て、お前の分のシュークリームつまみ食いしてん。すまん!」

「ダメだよ、安田くん。つまみ食いなんてしちゃ」


 安田の言葉に月村が少し真面目な顔で答えた。そしてすぐに笑顔になって、こう続けた。


「でも、ちゃんと白状したことは評価したげるよ。その気持ちは私もわからないでもないからね♪」

「せやろ!ほんま、えらいうまかってん、あれ!」

「でしょでしょ。わかるわかる!」











 何故だ…?
 何故この俺の隙を突くことができた?
 確かに、少し気は緩んでいたとは思うが、そこまでの隙はなかったはずだ。この俺から隙をついてシュークリームをつまみ食いをする……










 安田という男……何者だ。
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  1. 2005/05/18(水) 03:34:10|
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